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進化の結果?獲物を丸呑みせず腹を切り裂いて食べるヘビ

These Snakes Slice Open Toads and Eat Their Organs One-by-One While Alive

2020年10月1日(木)16時35分
アリストス・ジョージャウ

バンドククリヘビはミャンマー南東部、タイ、カンボジア、ラオスやベトナム各地に生息しており、アジアのより幅広い地域に生息しているククリヘビ(全80種)の一種だ。獲物に大きな、出血を伴う傷を負わせる力を持っていることで知られ、その特徴からネパールのグルカ兵が使う短刀「ククリ」にちなんだ名前がつけられた。

「ククリヘビには噛まれないようにした方がいい」とブリンソーは警告する。「ククリヘビは獲物の血流に、血液の凝固を阻害する物質を注入するため、噛まれると何時間も血が止まらない可能性がある。牙は相手の皮膚を『刺す』のではなく『引き裂く』ようにできており、噛まれると切り裂かれるように感じるだろう」

彼はさらにこう語った。「血液凝固を阻害する物質は、目の後ろ側にある2本の腺から分泌される。何時間もかけてヒキガエルの内臓を取り出す際に、この分泌物が役立っている可能性が高い」

ブリンソーは本誌に、今回の発見はヘビやその多様性に関するさらなる理解につながる可能性がある、「きわめて大きな」意義があるものだと語った。

「これまで、毒を持つカエルの腹部を狙って攻撃し、首や背中にある毒腺に触らないようにすることができる動物としては、哺乳類や高い認知能力を持つ鳥が注目されることが多かった」と彼は言う。

「だが今回の発見で、認知能力がさほど高くないそのほかの脊椎動物でも、同じような適応ができることが確認された。ヘビの捕食戦略は多様性に富んでいることは証明されており、今回のような行動はその新たな一面を示している」

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