最新記事

日本政治

風雲急を告げるポスト安倍レース 後継候補の顔ぶれは?

2020年8月28日(金)16時56分

安倍晋三首相が突然、辞任の意向を固めたことで、後継者レースが本格化する。写真は国会。2016年7月撮影(2020年 ロイター/Toru Hanai)

安倍晋三首相が突然、辞任の意向を固めたことで、後継者レースが本格化する。議院内閣制の日本では通常、与党第一党の党首が首相に任命される。以下、名前が浮上する候補をまとめた。

◎石破茂(いしば・しげる、63歳)

タカ派の元防衛相。安倍首相を批判的な目でみる、自民党内では珍しい存在。世論調査で次期首相候補のトップに名前が挙がるが、党内の国会議員からの人気は高くない。

農林水産相、地方創生・国家戦略特別区域担当相を歴任。2012年の党総裁選では、地方議員と党員が参加する1回目の投票で安倍氏を破り、草の根の支持の強さを見せつけた。しかし、国会議員のみが参加する決戦投票で敗れた。18年の総裁選でも安倍氏に勝てなかった。

経済・金融政策については、日銀の超低金利政策が地方銀行を痛めつけていると批判し、格差拡大を是正するために公共事業の支出拡大を訴えている。

◎岸田文雄(きしだ・ふみお、63歳)

2012年から2017年まで、第2次安倍内閣で長く外相を務め、世界中を飛び回った。

広島県選出の衆議院議員で、控えめとも評される岸田氏は安倍氏の後継者と一般的に考えられているが、世論調査で次期首相候補の上位には名前が挙がらない。

自民党内ではハト派寄りの派閥に属し、安倍氏に比べて憲法9条の改正には前向きでないとみられている。

日銀の超緩和的な金融政策について「いつまでも続けることは難しい」と述べたことがある。

◎河野太郎(こうの・たろう、57歳)

「異端児」、「変人」などと呼ばれることがある防衛相。今年6月には米国の迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備手続き停止を決め、波紋を呼んだ。安倍政権の主要政策とは一線を画すことがある。

米ワシントンのジョージタウン大学で学び、英語が堪能、外相や行政改革担当相を歴任した。

官房長官や衆議院議長、外相などを務めた父の河野洋平氏とは異なる側面を持つ保守政治家。韓国との歴史問題には厳しい姿勢で臨む。洋平氏は1993年、第2次世界大戦中の従軍慰安婦問題について謝罪する「河野談話」を発表した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、ガザ暫定統治機関の人選を来年早々に発表

ワールド

トランプ米政権、UNRWAに制裁検討か テロ組織指

ワールド

米国防権限法案、下院で可決 上院も来週通過の見通し

ワールド

トランプ氏「CNNは売却されるべき」、ワーナー買収
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア空軍の専門家。NATO軍のプロフェッショナルな対応と大違い
  • 2
    トランプの面目丸つぶれ...タイ・カンボジアで戦線拡大、そもそもの「停戦合意」の効果にも疑問符
  • 3
    「何これ」「気持ち悪い」ソファの下で繁殖する「謎の物体」の姿にSNS震撼...驚くべき「正体」とは?
  • 4
    死者は900人超、被災者は数百万人...アジア各地を襲…
  • 5
    【クイズ】アジアで唯一...「世界の観光都市ランキン…
  • 6
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 7
    「正直すぎる」「私もそうだった...」初めて牡蠣を食…
  • 8
    「安全装置は全て破壊されていた...」監視役を失った…
  • 9
    イギリスは「監視」、日本は「記録」...防犯カメラの…
  • 10
    「韓国のアマゾン」クーパン、国民の6割相当の大規模情…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中