最新記事

韓国社会

韓国、輸出好調なコンテンツ業界に落とし穴 女性嫌悪と男性嫌悪が激突炎上

2020年8月21日(金)11時48分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネイター)

騒動から6日後の8月5日、カカオゲーム側が公式声明を掲載して謝罪した。性別嫌悪に取られる単語を使用したことについては、故意ではないことを強調し、さらに「(ゲーム開発チームの中に)特定の団体に所属している者や、偏向的な考えをもっている職員は一人もいない」「現在信頼回復が難しいと判断して、新しい担当者に入れ替えを行った」と発表した。

急速にフェミニズム意識の高まりを見せる韓国では、性別嫌悪とも取れる表現にとても敏感だ。しかし、今回の騒動の背景にはゲーム業界で働く女性たちの問題も関係しているように思える。

ゲーム業界そのものに問題が

先月14日、全国女性労働組合をはじめとした市民団体が、世宗文化会館前にてゲーム業界の女性嫌悪を根絶するための対策作りを訴えるデモを行った。全国女性労働組合が先月18日発表した調査によれば、ゲーム開発に参加した女性の中でMeToo運動など「女性の人権について、支持すると表明をした後、不当な待遇にあった女性労働者」は、この5年間で少なくとも14人もいたという。

有名な例を挙げると、2016年ゲーム声優であるキム・ジャヨン氏は、女性コミュニティグループのTシャツを着た写真をSNSにアップしたという理由で、決定していたゲームの出演を降板に追い込まれた。

また、あるゲーム会社に勤務していた女性職員は、SNSのフェミニズム関連の書き込みに「いいね」を押したり、女性の人権関連のハッシュタグを付けて写真をアップしたりしただけで、不当な解雇や職場移動を命じられたという。

国家人権委員会は、今月8日報道資料を通じ、これらの件に関して文化体育観光省と韓国コンテンツ振興院に「実態を調査し、差別的慣行を根絶するための対策をとるよう勧告した」と発表した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

12月利下げは不要、今週の利下げも不要だった=米ダ

ビジネス

利下げでFRB信認揺らぐ恐れ、インフレリスク残存=

ワールド

イスラエル軍がガザで攻撃継続、3人死亡 停戦の脆弱

ビジネス

アマゾン株12%高、クラウド部門好調 AI競争で存
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 5
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 6
    必要な証拠の95%を確保していたのに...中国のスパイ…
  • 7
    海に響き渡る轟音...「5000頭のアレ」が一斉に大移動…
  • 8
    【クイズ】12名が死亡...世界で「最も死者数が多い」…
  • 9
    【ロシア】本当に「時代遅れの兵器」か?「冷戦の亡…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 7
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 10
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 8
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 9
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中