最新記事

感染第2波

東京都、31日のコロナ感染463人で過去最多更新 小池知事「状況悪化の場合、ピンポイントの休業要請も」

2020年7月31日(金)22時35分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

東京都の小池知事は31日、都内で過去最多となる463人の新型コロナウイルス陽性者が確認されたと発表した。写真は6月、東京アラート発動中の東京都庁。

東京都の小池知事は31日、都内で新たに463人を超える新型コロナウイルス陽性者が確認されたと発表した。

400人を超えるのは初めて。100人を超えるのはこれで23日連続となる。7月の合計は6249人で6000人を突破、感染拡大に歯止めがかからない状態だ。

<関連記事:東京都、1日のコロナ新規感染472人 2日連続で過去最多更新、これまでの感染者合計が1万3000人突破

これで都内で確認された陽性者の合計は12724人、緊急事態宣言が解除された5月25日以降の累計は7329人と累計の半数を超えている。

東京都では4月17日に206人の感染確認をピークに、徐々に新規陽性者が減り続け、5月23日には新規陽性者が2人まで減少。感染拡大の抑え込みに成功したかに見えたが、その後、新規陽性者が増加。7月に入ってからは連日100人以上の感染拡大が続いている。感染者が2人と最少だった5月23日以降の累計では7345人となっている。

独自の緊急事態宣言の場合、ピンポイントの休業要請も

こうした状況を受けて東京都は、感染拡大の原因のひとつとなっている会食での感染を抑えるため、8月3日から31日までの間、酒を提供する飲食店やカラオケ店に対して営業時間の短縮を要請した。これに応じた中小の事業者で、感染拡大防止宣言のステッカーを掲載しているところには協力金として20万円を支給する。

小池都知事は31日、都内の感染状況について「多摩地域の多くにも広がっている。年代的に見ても重症化率が高くなる60代以降の高齢者にも拡大をしているということで、一刻の猶予も許されないことから「感染拡大特別警報」という言葉で表現をした。状況がさらに悪化すると、東京都独自の緊急事態宣言を発することも考えざるを得なくなる」と危機感を表した。また、都独自の緊急事態宣言を出した場合の休業要請については「どの業種、どの地域で、ということはピンポイントでやっていきたい。休業要請と言ってもすべての経済を止めた4月のような形ではない」と述べ、全面的な経済活動の停止は行わないという考えを示した。

政府、対策分科会で全国の状況を分析 東京と大阪「感染漸増段階」

一方、政府は31日午後、新型コロナウイルス感染症対策分科会を開催し、東京をはじめ全国各地で感染者が急増している状況について分析、対策を検討。分科会のあと、西村経済再生担当大臣と尾身茂会長が記者会見して、感染状況を各都道府県ごとに4つの段階に分け、それぞれ必要な対応を検討していく方針を説明した。

【各都道府県で今後想定される感染状況】
■感染ゼロ散発段階:
感染者が散発的に発生している状況
■感染漸増段階:感染者が徐々に増加し、医療提供体制への負荷が蓄積しつつある状況
■感染急増段階:感染者数が急増し、医療提供体制に支障が出ている状況
■感染爆発段階:爆発的な感染拡大が起き、医療提供体制が機能不全に陥っている状況

そのうえで尾見会長は「東京や大阪は『感染漸増段階』にあるが、次の『感染急増段階』に移ってから対策をとっては遅すぎる。次の段階に移る予兆を見つけて、探知したらすぐに介入することで次の段階に移ることを防いでいただきたい」と語った。

一方、西村大臣は感染状況を判断するための指標について「全国の共通の仕様することを念頭に、都道府県の感染状況や地域のクラスター対策なども踏まえながら、どういった形で示すのか、専門家の皆さんに議論を深めていただこうと考えている」と、今後の分科会で議論を深めると述べるにとどめた。

東京都・新型コロナウイルス陽性患者数

  

東京都・新型コロナウイルス陽性患者数・累計

  

PCR検査等の結果

 

入院患者数

 

感染者の現在の状況

*チャーター機帰国者、クルーズ船乗客等は含まれていない
*「重症」は、集中治療室(ICU)等での管理又は人工呼吸器管理が必要な患者数を計上
*退院者数の把握には一定の期間を要しており、確認次第数値を更新している
 


【関連記事】
・新型コロナウイルス、患者の耳から見つかる
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・がんを発症の4年前に発見する血液検査
・これは何? 巨大な黒い流体が流れる様子がとらえられる


20200804issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年8月4日号(7月28日発売)は「ルポ新宿歌舞伎町 『夜の街』のリアル」特集。コロナでやり玉に挙がるホストクラブは本当に「けしからん」存在なのか――(ルポ執筆:石戸 諭) PLUS 押谷教授独占インタビュー「全国民PCRが感染の制御に役立たない理由」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

焦点:ネタニヤフ氏を合意に引き込んだトランプ氏、和

ビジネス

アングル:高値警戒くすぶるAI株、ディフェンシブグ

ビジネス

中国のスマホ出荷、アップルは0.6%増 第3四半期

ワールド

訂正立維国の3党首、野党候補一本化で結論持ち越し 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道されない、被害の状況と実態
  • 2
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ海で「中国J-16」 vs 「ステルス機」
  • 3
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 4
    「心の知能指数(EQ)」とは何か...「EQが高い人」に…
  • 5
    「欧州最大の企業」がデンマークで生まれたワケ...奇…
  • 6
    イーロン・マスク、新構想「Macrohard」でマイクロソ…
  • 7
    【クイズ】アメリカで最も「死亡者」が多く、「給与…
  • 8
    「中国に待ち伏せされた!」レアアース規制にトラン…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「中国のビットコイン女王」が英国で有罪...押収され…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな飼い主との「イケイケなダンス」姿に涙と感動の声
  • 3
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 4
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 5
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 6
    ベゾス妻 vs C・ロナウド婚約者、バチバチ「指輪対決…
  • 7
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 8
    ウクライナの英雄、ロシアの難敵──アゾフ旅団はなぜ…
  • 9
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 10
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 3
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 4
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中