最新記事

朝鮮半島

朝鮮戦争勃発から70年、南北の雪解けなお遠く

2020年6月26日(金)09時35分

1950年に朝鮮戦争が勃発してから70年。南北間の緊張が高まるなか、予定される記念式典は小規模なものにとどまり、終戦協定の締結はかつてないほど遠く感じられる。両国の軍事境界線近くで撮影(2020年 ロイター/Kim Hong-Ji)

朝鮮戦争が勃発してから25日で70年を迎えたが、南北間の緊張が高まる中、予定される記念式典は小規模なものにとどまり、終戦協定の締結はかつてないほど遠く感じられる。

朝鮮戦争は1950年6月25日、北朝鮮が韓国に侵攻したことを契機に勃発。53年に終戦ではなく休戦協定が結ばれた。

韓国では元兵士らが集う記念式典が開催され、トランプ米大統領ら各国の首脳がビデオメッセージを寄せた。

一方、北朝鮮では朝鮮労働党の機関紙が1面で、国を防衛するために戦った人々に続くよう呼び掛け。何十年経っても国土から戦争の危機は去っていないとし、「敵対的勢力」が北朝鮮の粉砕を画策していると非難した。

2018年には、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長とトランプ大統領による米朝首脳会談の開催などで終戦協定の締結に向けた期待が高まったが、実現には至っていない。北朝鮮が米韓の対応を敵対的だと批判するに及び、その後幾度となく開催された実務者協議も南北の隔たりを埋めることはできなかった。

北朝鮮は24日、韓国に対する軍事行動計画の延期を決定したと発表。同時に韓国に対し「賢明に考え行動する」よう警告した。

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は記念式典で、韓国軍はあらゆる脅威に立ち向かう用意があるとした上で「平和を通じて南北に有益な道筋を引き続き模索していく。南北統一を語る前に、まず互いに友好的な隣人になれるよう望む」と述べた。

*内容を追加しました。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・コロナに感染して免疫ができたら再度感染することはない?
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・東京都、新型コロナウイルス新規感染48人を確認 今月5度目の40人超え
・韓国、日本製品不買運動はどこへ? ニンテンドー「どうぶつの森」大ヒットが示すご都合主義.


20200630issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年6月30日号(6月23日発売)は「中国マスク外交」特集。アメリカの隙を突いて世界で影響力を拡大。コロナ危機で焼け太りする中国の勝算と誤算は? 世界秩序の転換点になるのか?

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ソフトバンクG、1―3月期純利益5171億円 通期

ビジネス

英金利は高止まりの可能性も、中銀チーフエコノミスト

ビジネス

独ZEW景気期待指数、5月はプラス転換 予想も上回

ビジネス

ホンダ社長、日産との統合協議再開「当分もうない」
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:2029年 火星の旅
特集:2029年 火星の旅
2025年5月20日号(5/13発売)

トランプが「2029年の火星に到着」を宣言。アメリカが「赤い惑星」に自給自足型の都市を築く日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映った「殺気」
  • 3
    ゴルフ場の近隣住民に「パーキンソン病」多発...原因は農薬と地下水か?【最新研究】
  • 4
    母「iPhone買ったの!」→娘が見た「違和感の正体」に…
  • 5
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王…
  • 6
    あなたの下駄箱にも? 「高額転売」されている「一見…
  • 7
    「がっかり」「私なら別れる」...マラソン大会で恋人…
  • 8
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 9
    「出直し」韓国大統領選で、与党の候補者選びが大分…
  • 10
    ハーネスがお尻に...ジップラインで思い出を残そうと…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 5
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 6
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王…
  • 7
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映…
  • 8
    ゴルフ場の近隣住民に「パーキンソン病」多発...原因…
  • 9
    母「iPhone買ったの!」→娘が見た「違和感の正体」に…
  • 10
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 5
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 10
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中