最新記事
感染症対策

「マスク品切れ」いつまで経っても解消されないのは何故? 多くの人に届ける方策とは

2020年4月24日(金)16時22分
菅原幸子(医薬品業界誌記者、月刊ドラッグマガジン編集長)*東洋経済オンラインからの転載

これは今回のトイレットペーパーの店頭在庫不足にも見られたように、モノはそろっていても、家庭内在庫が満たされるまで店頭での欠品が続く状態だ。家庭内在庫のニーズが強い分だけ、マスクはトイレットペーパー以上の長い期間にわたって、このタイムラグが生じる。

「今の需要自体が、平常時の10~30倍になっている。ここに家庭内在庫が上乗せされれば、30~60倍に需要が跳ね上がることも考えられる」

ある卸売業者は当分の間、品薄状態が続くことを懸念している。

自分の身の回りを見渡してみても、マスクをつけている人が普段の10倍以上になっていることは想像できる。平常時の月間マスク需要は、シーズンによって1億~4億枚といわれる。需要が10倍以上、家庭内在庫需要で30倍以上にも膨れ上がることを考えると、月間10億~30億枚が供給されても不足は解消されないことも想定できる。一部、報道されているように、中国からの供給が戻ったとしても、すぐさまマスクが普通に買える状態になるとは考えにくい。

急激な需要の高まりで供給が間に合わず


ちなみに、足元の販売金額に関しては、3月30日の週で前年比32%増と前年を上回った。インテージFMCG事業本部小売・流通ユニットの古林紀彦氏はマスクの販売推移に関して、「急激な需要の高まりで供給が間に合わないことから、2月下旬からは前年を下回る週が続いたが、3月30日の週は前年比で昨年を上回り、供給量の回復が確認された」と指摘する。

それでは、どうしたらいいのか

つまり、増産・輸入増という供給サイドの施策では、"青天井"状態なのが、現在の国内のマスク事情ということになる。

では、どうしたら不足感は和らぐのか。

「供給サイドへの施策(増産)だけでなく、需要側での施策も有効だ」。卸売業者からはこうした構想が聞かれる。販売するドラッグストアなどで、できるだけ多くの人にマスクを販売する工夫が有効だという提案である。

具体的には、より多くの人にまんべんなく行き渡らせるために「1人1点まで」などの購入制限を加えることが挙げられる。こうすることで、特定の人にだけ供給が集中するリスクが低減できる。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国こそが「真の脅威」、台湾が中国外相のミュンヘン

ワールド

米中「デカップリング論」に警鐘、中国外相がミュンヘ

ビジネス

ウォルマート決算や経済指標に注目、「AIの負の影響

ワールド

ドバイ港湾DPワールドのトップ辞任、「エプスタイン
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発される中国のスパイ、今度はギリシャで御用
  • 2
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」でソフトウェア株総崩れの中、投資マネーの新潮流は?
  • 3
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活動する動画に世界中のネット民から賞賛の声
  • 4
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 5
    それで街を歩いて大丈夫? 米モデル、「目のやり場に…
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 8
    世界市場3.8兆円、日本アニメは転換点へ――成長を支え…
  • 9
    川崎が「次世代都市モデルの世界的ベンチマーク」に─…
  • 10
    【インタビュー】「4回転の神」イリヤ・マリニンが語…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 5
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
  • 6
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 7
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 8
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 9
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」で…
  • 10
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中