最新記事

監視社会

ロシア、新型コロナウイルスで外出禁止の地域拡大 当局が市民の移動監視するシステム稼働へ

2020年3月31日(火)10時14分

ロシアで新型コロナウイルスの新規感染者が6日連続で最多を更新する中、少なくとも14の地域が部分的なロックダウン(都市封鎖)に踏み切った。モスクワで撮影(2020年 ロイター/Evgenia Novozhenina)

ロシアで新型コロナウイルスの新規感染者が6日連続で最多を更新する中、少なくとも14の地域が30日、部分的なロックダウン(都市封鎖)に踏み切った。

ミシュスチン首相が同国の80以上の地域に対し、外出禁止措置を検討するよう求めていた。

当局によると、国内の新型ウイルス感染者は302人増の1836人、死者は9人となった。

首都モスクワはすでに市民に自宅にとどまるよう指示している。

ミシュスチン首相は、こうした措置を全土で実施する必要があるとし、「各地域の指導者に対し、モスクワの状況に留意し、それぞれの地域で同様の措置を導入する可能性を検討するよう求める」と述べた。

プーチン大統領は国営テレビで各地域の指導者に対し、「机上ではなく実際に措置を実施しなければならない。例外はない」と強調した。

これを受け、カリーニングラード州やタタルスタン共和国のほか、フィンランドやノルウェーと国境を接するムルマンスク州、サンクトペテルブルク市など少なくとも14の地域が部分的なロックダウンに踏み切ったほか、チェチェン共和国など他の地域では入境禁止など独自の措置をとる動きも出ている。

モスクワでは、通勤や最寄の店舗での食料・医薬品の購入、緊急の治療、犬の散歩、ごみ出しのみに外出が制限されているが、ソビャニン市長は、市民の20%が命令を無視していると批判。その上で、当局が人の移動を管理できるIT(情報技術)システムが今週末までに利用可能になることを期待していると述べた。

[モスクワ ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・「コロナ失業」のリスクが最も高い業種は?
・「アメリカの新型コロナウイルス死者、20万人に上る可能性も」国立感染症研究所所長
・中国、感染しても無症状者は統計に反映せず 新型コロナウイルス感染爆発「第2波」の懸念


cover200407-02.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年4月7日号(3月31日発売)は「コロナ危機後の世界経済」特集。パンデミックで激変する世界経済/識者7人が予想するパンデミック後の世界/「医療崩壊」欧州の教訓など。新型コロナウイルス関連記事を多数掲載。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

記録的豪雨のUAEドバイ、道路冠水で大渋滞 フライ

ワールド

インド下院総選挙の投票開始 モディ首相が3期目入り

ビジネス

ソニーとアポロ、米パラマウント共同買収へ協議=関係

ワールド

トルコ、経済は正しい軌道上にあり金融政策は十分機能
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の衝撃...米女優の過激衣装に「冗談でもあり得ない」と怒りの声

  • 3

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 4

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 5

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 6

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 7

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 8

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 9

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 10

    紅麴サプリ問題を「規制緩和」のせいにする大間違い.…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中