最新記事

中国

背後に千億円の対中コロナ支援:中露首脳電話会談

2020年3月23日(月)13時55分
遠藤誉(中国問題グローバル研究所所長)

Sputnik Photo Agency-REUTERS

19日、習近平はプーチンに電話したが、背後には中国がBRICS銀行からコロナによる経済損失を埋めるための千億円の支援金を得た事実があり、アメリカがIMFや世銀に「一帯一路」参加国への融資を阻止した背景がある。

習近平がプーチンに電話

3月19日、習近平国家主席はプーチン大統領に電話をした。表面的には新型コロナのパンデミックを受けて治療や治療薬開発などに関して互いに協力しようということが主たる内容で、中国の報道によれば、プーチンが中国の感染拡大阻止への対応が実に素晴らしいと高く評価したということになっている。

プーチンは新型コロナ肺炎発生が明らかになると、1月の時点で直ちに中国との国境を封鎖しているので、習近平が「気を悪くしているのではないか」と推測されるだろうが、「そんなことはないよ」というシグナルではないかと日本では報道されている。

その側面は否めないし、だとすれば日本の安倍首相が、習近平国賓招聘を4月に控えて、1月の時点で中国からの来日者を遮断しなかったのは、全く無用の忖度であったことが言えよう。

しかしそのようなことで電話をする習近平ではなく、実はそこには、「深~い」事情が潜んでいた。

BRICS銀行が中国に千億円のコロナ緊急支援金

習近平がプーチンに電話した同じ日の3月19日、中国政府は財政部の情報として「新開発銀行が中国の新型コロナウイルス肺炎との闘いを支援するため70億人民元の緊急支援融資を承認した」と報道した(報道は3月20日)。

新開発銀行は、2015年7月にBRICS五ヵ国(中国、ブラジル、ロシア、インド、南アフリカ共和国)が共同で立ち上げた銀行で、BRICS銀行とも呼ばれている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

企業のAI導入、「雇用鈍化につながる可能性」=FR

ビジネス

ミランFRB理事、0.50%利下げ改めて主張 12

ワールド

米航空各社、減便にらみ対応 政府閉鎖長期化で業界に

ビジネス

米FRBの独立性、世界経済にとって極めて重要=NY
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    「これは困るよ...」結婚式当日にフォトグラファーの前に現れた「強力すぎるライバル」にSNS爆笑
  • 4
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 5
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 6
    NY市長に「社会主義」候補当選、マムダニ・ショック…
  • 7
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 8
    「なんだコイツ!」網戸の工事中に「まさかの巨大生…
  • 9
    あなたは何歳?...医師が警告する「感情の老化」、簡…
  • 10
    約500年続く和菓子屋の虎屋がハーバード大でも注目..…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 7
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 8
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 9
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 10
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中