最新記事
アフガニスタン米軍、和平合意したばかりのタリバンに空爆 アフガン情勢先行き不透明に
2020年3月5日(木)11時57分

アフガニスタン駐留米軍は、南部ヘルマンド州で反政府武装勢力タリバンへの空爆を行った。米国とタリバンは先月29日に和平合意に署名したばかり。米国の空爆は合意後初となる。写真はアフガニスタン軍の兵士ら。同国クンドゥズ州で撮影、提供写真(2020年 ロイター)
アフガニスタン駐留米軍は4日、南部ヘルマンド州で反政府武装勢力タリバンへの空爆を行った。米国とタリバンは先月29日に和平合意に署名したばかり。米国の空爆は合意後初となる。合意履行の先行きを巡り不透明感が高まっている。
和平合意を巡っては、タリバン捕虜解放に関する部分について、アフガンのガニ大統領とタリバンが対立。タリバンがアフガン政府側への攻勢を強めたため、空爆を行ったと米国は説明している。
米軍当局者はツイッター上で、タリバン側はアフガン治安部隊の検問所を積極的に攻撃しており、攻撃を中断させるための措置だと説明。米国は和平合意履行に引き続き取り組んでいるが、必要ならアフガンの部隊を守ると述べた。
ガニ大統領は、和平合意に盛り込まれたタリバンの捕虜最大5000人を解放するという部分について、タリバンとの協議で議題にすることを求めている。一方タリバンは、捕虜が解放されてから初めて和平協議に臨むと主張している。
協議が先延ばしになれば、和平合意が崩壊する恐れがあるとの懸念が出ている。
一方、米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長は4日、米議会公聴会で「攻撃は続いているが小規模なもので、全て撃退されている」と述べ、和平の前進を強調した。
[カブール 4日 ロイター]

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

アマゾンに飛びます
2020年3月10日号(3月3日発売)は「緊急特集:新型肺炎 何を恐れるべきか」特集。中国の教訓と感染症の歴史から学ぶこと――。ノーベル文学賞候補作家・閻連科による特別寄稿「この厄災
今、あなたにオススメ
WorldVoice
PICK UP
新着