最新記事

五輪

東京五輪、IOCの延期検討発表を受けた反応

2020年3月23日(月)09時20分

 3月22日、国際オリンピック委員会(IOC)は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて緊急理事会を開き、7月24日から開催予定の2020年東京五輪について延期も含めた対策を検討し4週間以内に結論を出す、との声明を発表した。大会中止の可能性は否定した。東京のお台場海浜公園で撮影(2020年 ロイター/Issei Kato)

国際オリンピック委員会(IOC)は22日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて緊急理事会を開き、7月24日から開催予定の2020年東京五輪について延期も含めた対策を検討し4週間以内に結論を出す、との声明を発表した。大会中止の可能性は否定した。

IOCの発表を受けた反応は以下のとおり。

<米国オリンピック・パラリンピック委員会(USOPC)のハーシュランド最高経営責任者(CEO)>

IOCがきょう、世界各国の選手らに向けて示した新たな方針は前進であり、状況を明確にする上で重要な一歩だが、選手は2020年東京五輪を巡り依然として非常に強い不透明感に直面している。

われわれはIOC幹部や各国オリンピック委員会、米国の運営団体、選手らと何時間も協議を重ねてきた。困難な壁が待ち構えていることは承知しており、IOCがわれわれの懸念や要請に耳を傾け、できるだけ早急に対応しようと取り組んでいることに感謝する。

<世界陸連>

延期に関するIOCとの協議を歓迎する。世界陸連の各地域トップや選手によるこうしたフィードバックをIOCに伝えた。

代替日程についてIOCや他の全競技団体と協力する用意がある。

<国際パラリンピック委員会(IPC)のパーソンズ会長>

五輪・パラリンピックの延期を含めたシナリオの検討に入るとしたIOCの決定を、パラリンピックを取り巻く活動全体が完全に支持することをIPCも私も確信している。

人命は他の何よりもはるかに重要であり、今は選手を含め誰もが(新型コロナウイルスの)さらなる感染拡大を防ぐため自宅にとどまることが極めて重要だ。

<ハドルストン英スポーツ相>

IOCが五輪延期を真剣に検討するのは適切だ。選手やスポーツファン、大会関係者の健康と安全は絶対的に最も重要だ。IOCが最終決定を早期に下し、全関係者に対し状況を明確にすることを望む。

<英国オリンピック委員会(BOA)のロバートソン会長>

延期に関する選択肢を検討するとしたIOC理事会の決定を歓迎する。しかし、依然として多大な不透明感に直面する選手のために、迅速な意思決定を求める。

現在導入されている様々な制限により、選手は公平な条件で競うことが不可能になった。現在の環境の中で、五輪に向けた既定路線を維持するのは、どうみても適切ではない。

<UKスポーツのグレインガー会長>

状況を考慮すれば、IOCが五輪延期の選択肢を検討するのは不可避だったと同時に、選手やスタッフ、ファンの安全を考えれば正しい決定だ。

<国際ゴルフ連盟(IGF)>

2020年東京五輪開催に向けてIOCと組織委員会を引き続き支持する。今後数週間、全ての選手が安全かつ公平に競うことができるよう、あらゆるシナリオをIOC・組織委員会とともに検証する。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・新型コロナウイルスの「0号患者」を探せ!
・イタリア、新型コロナウイルス感染3万人突破・死者2503人
・米研究所が警告「新型コロナウイルス、空中で数時間生存」


20200324issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年3月24日号(3月17日発売)は「観光業の呪い」特集。世界的な新型コロナ禍で浮き彫りになった、過度なインバウンド依存が地元にもたらすリスクとは? ほかに地下鉄サリン25年のルポ(森達也)、新型コロナ各国情勢など。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ガザ休戦交渉難航、ハマス代表団がカイロ離れる 7日

ワールド

米、イスラエルへ弾薬供与停止 戦闘開始後初=報道

ワールド

アングル:中国地方都市、財政ひっ迫で住宅購入補助金

ワールド

岸田首相、「グローバルサウスと連携」 外遊の成果強
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが...... 今も厳しい差別、雇用許可制20年目の韓国

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    翼が生えた「天使」のような形に、トゲだらけの体表...奇妙な姿の超希少カスザメを発見、100年ぶり研究再開

  • 4

    こ、この顔は...コートニー・カーダシアンの息子、元…

  • 5

    ウクライナがモスクワの空港で「放火」工作を実行す…

  • 6

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    単独取材:岸田首相、本誌に語ったGDP「4位転落」日…

  • 9

    マフィアに狙われたオランダ王女が「スペイン極秘留…

  • 10

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 5

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 6

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中