最新記事

スポーツ

サッカー次世代の星は19歳「モンスター級」のハーランド

The Blond Beast of the Bundesliga

2020年3月7日(土)15時15分
エリック・ベッツ

ハーランドの得点力は規格外(欧州チャンピオンリーグのパリ・サンジェルマン戦) ALEXANDRE SIMOESーBORUSSIA DORTMUND/GETTY IMAGES

<独ドルトムントで大ブレイク中のノルウェー人FWアーリング・ハーランドは、得点力もスピードも見た目も迫力もモンスター級>

サッカー界ではリオネル・メッシとクリスティアーノ・ロナウドという2人のスーパースターの時代が長く続いている。世代交代を想像するのも難しいくらいだが、一時代を画した2人もいつかは引退する時が来る。

では、次の時代のサッカー界の「顔」になる選手は誰なのか。2月18日、欧州チャンピオンズリーグの試合で対戦したパリ・サンジェルマン(フランス)のキリアン・エムバペ(21)とドルトムント(ドイツ)のアーリング・ハーランド(19)は、まさに筆頭候補と言えるだろう。

エムバペはプロデビューした2016~17年シーズンから注目されていたが、大スターの座に駆け上がったのは18年のワールドカップ。19歳の若さでフランス代表を優勝に導いた。

昨シーズンはフランス1部リーグで33ゴールを記録した。足がボールを捉えると、映画のスタントマンさながらの妙技を見せる。

一方のハーランドはノルウェー出身。194センチの大柄な選手で、今シーズンは規格外の破壊力を見せつけている。

シーズン初めはオーストリア1部リーグのザルツブルクに在籍し、リーグ戦14試合に出場して16ゴールを挙げた。チャンピオンズリーグ初出場となった試合ではハットトリックを達成。今年1月にドイツ・ブンデスリーガのドルトムントに移籍、最初の3試合で7得点を挙げた(そのうち2試合は途中出場だった)。

名門マンUへ行かずに

いかにも北欧系らしいブロンドの大男で、映画で言えばロッキーの敵役のイワン・ドラゴや『ブレードランナー』に出てくる人造人間のロイ・バッティを思い起こさせる。マンチェスター・ユナイテッド(マンU)の元ミッドフィルダー、リー・シャープの言葉を借りれば「見た目が怖い」。さらに彼は「いかにもユナイテッドが欲しがりそうな選手だ」と付け加えた。

実際、移籍先がマンUになる可能性もあった。マンUは得点力とスター性のある選手を喉から手が出るほど求めていたし、オーレ・グンナー・スールシャール監督はハーランドがノルウェーのモルデFKに所属していた時の監督でもある。それに、ハーランドの父はイングランドでプレーしていた元サッカー選手だ。

だが、マンUはハーランドを獲得できなかった。監督は遅くとも今シーズンいっぱいで解任されると言われている。しかもハーランドの父は現役時代に、マンUの主将だったロイ・キーンとピッチ内外で何度も衝突した。父は「マンUなど大嫌いだ。あそこの選手には我慢ならない」と語ったと伝えられる。マンUは、ハーランドの代理人が出してきた条件に問題があったと主張している。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米石油・ガス掘削リグ稼働数、22年1月以来の低水準

ワールド

アングル:コロナの次は熱波、比で再びオンライン授業

ワールド

アングル:五輪前に取り締まり強化、人であふれかえる

ビジネス

訂正-米金利先物、9月利下げ確率約78%に上昇 雇
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS攻撃「直撃の瞬間」映像をウクライナ側が公開

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 4

    サプリ常用は要注意、健康的な睡眠を助ける「就寝前…

  • 5

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 6

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 7

    「TSMC創業者」モリス・チャンが、IBM工場の買収を視…

  • 8

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 9

    元ファーストレディの「知っている人」発言...メーガ…

  • 10

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 6

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 7

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中