最新記事

ブレグジット

イギリス総選挙、一部調査で保守党リード縮小 過半数確保は予断許さず

2019年12月9日(月)11時02分

英総選挙の投票日を12日に控え、世論調査ではジョンソン首相(写真)率いる与党・保守党がリードしているが、一部の調査結果によると、保守党の過半数獲得は予断を許さない状況だ。英デトリングで6日代表撮影(2019年 ロイター)

英総選挙の投票日を12日に控え、世論調査ではジョンソン首相率いる与党・保守党がリードしているが、一部の調査結果によると、保守党の過半数獲得は予断を許さない状況だ。

7日公表の4件の世論調査では、保守党の支持率は最大野党の労働党を8─15ポイント上回った。

8ポイントのリードでは、保守党による下院の過半数獲得は不確実な状況だ。有権者が欧州連合(EU)離脱を巡り戦略的に投票した場合、不確実性は一段と高まる。

調査会社サバンタ・コムレスによると、保守党のリードは前回4日の調査(10ポイント)から8ポイントに縮小した。同社の政治担当責任者クリス・ホプキンス氏は「差は極めて小さい。保守党のリードが1、2ポイント上昇するか低下するかで、同党がかなりの過半数を獲得するか、もしくはハングパーラメント(宙づり議会)になるか分かれる可能性がある」と述べた。

2017年の前回総選挙で各種世論調査は、労働党への支持を実際より低く予測。当時のメイ首相は過半数を失い、EU離脱は混迷が深まった。離脱の是非を巡る2016年の国民投票でも、世論調査は離脱派の勝利を予測できなかった。

しかし、17年総選挙の前にユーガブが公表した調査結果では、各党の獲得議席が比較的正確に予測されていた。MRP方式と呼ばれる調査で、選挙区の93%で結果を正確に予測した。

サンデー・タイムズによると、50万件のオンラインインタビューに基づき、MRP方式を採用したデータプラクシスの調査では、保守党の獲得議席が他党の合計を38議席上回ると予測されている。2週間前の調査では、48議席差になるとみられていた。

データプラクシスのポール・ヒルダー氏は「選挙戦終盤でこれほど多くの有権者が投票先を決めていない状況は初めて見た」とし、「最大80─90の選挙区で勝敗の行方が分からない。保守党は予想以上の圧勝を収める可能性があるが、一方でハングパーラメントもあり得る」と述べた。

ユーガブは11月の調査で、保守党の議席が他党の合計を68議席上回ると予測した。同社は10日に最新の調査結果を公表する。

EU離脱を巡る2回目の国民投票実施を求める残留派グループ「ベスト・フォー・ブリテン」の委託で実施されたMRP方式の調査によると、保守党は下院定数650のうち345議席を獲得し、他党の合計を40議席上回る見通し。ただこの予測は、有権者が特定の政党の敗北を狙って通常の支持政党と異なる候補に投票する「戦略的投票」を行わないことを前提にしている。

同グループは、36の激戦区で有権者4万1000人が戦略的投票を行えば、保守党は過半数を割り込む可能性があると分析している。

同グループのトップ、ナオミ・スミス氏は「この選挙は予断を許さない状況だ」とし、「多くの残留派有権者が、保守党に勝利する可能性の最も高い候補に投票すれば、下院はハングパーラメントとなり、離脱を最終決定する国民投票が行われることになる」と語った。

[ロンドン ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20191217issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

12月17日号(12月10日発売)は「進撃のYahoo!」特集。ニュース産業の破壊者か救世主か――。メディアから記事を集めて配信し、無料のニュース帝国をつくり上げた「巨人」Yahoo!の功罪を問う。[PLUS]米メディア業界で今起きていること。


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

インフレ2%に向かえば年内「数回」の利下げ可能=シ

ワールド

ウクライナ、ロシア黒海の石油ターミナルなどに長距離

ワールド

カナダ、国産兵器調達を70%に引き上げへ 米依存か

ビジネス

米住宅建設業者指数、2月は36に低下 購入しやすさ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
2026年2月24日号(2/17発売)

帰還兵の暴力、ドローンの攻撃、止まらないインフレ。国民は疲弊しプーチンの足元も揺らぐ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    オートミール中心の食事がメタボ解消の特効薬に
  • 2
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」でソフトウェア株総崩れの中、投資マネーの新潮流は?
  • 3
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トランプには追い風
  • 4
    極超音速ミサイルが通常戦力化する世界では、グリー…
  • 5
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 6
    アメリカが警告を発する「チクングニアウイルス」と…
  • 7
    「目のやり場に困る...」アカデミー会場を席巻したス…
  • 8
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 9
    川崎が「次世代都市モデルの世界的ベンチマーク」に─…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発される中国のスパイ、今度はギリシャで御用
  • 4
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 5
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」で…
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 8
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 9
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 10
    「目のやり場に困る...」アカデミー会場を席巻したス…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中