最新記事

暴露本

「トランプの記憶力が怪しい」米政府高官

Trump Regularly 'Can't Remember What He's Said,' White House Insider Says

2019年11月21日(木)15時25分
シャンタル・ダシルバ

知らないことをとっさにごまかすのはうまいトランプだが Jonathan Ernst-REUTERS

<現役の米政府高官が出版した暴露本は、トランプのただならぬ言動に焦点を当ててアメリカに警告する>

トランプ政権についての新たな暴露本が、11月19日に発売された。それによれば、トランプはしばしば「自分で言ったことや人から聞いたことを思い出せない」ことがあるという。

「A Warning(警告)」と題する260ページ近い大作で、著者はその大半をトランプのただならぬ言動の描写に費やし、警鐘を鳴らしている。

「トランプ政権の現役の高官」と紹介される匿名の著者は、自分たちは「大統領の頭の冴え具合を診断する立場にない」と認めつつも、「正常な人間なら、ドナルド・トランプ米大統領と少しでも一緒の時間を過ごせば、自分が見たものに違和感を覚えるはずだ」と書く。

「よろめいたり、ろれつが回らなかったり、混乱したり、すぐに苛々したり、情報を総合的に理解することができなかったり――こんなことが時々じゃなく日常的にある」とこの政府高官は書く。「自分が言ったことや人から聞いたことを思い出せない」ことも頻繁にあるという。

「アメリカ国民は、トランプが時に責任逃れで自分が言った言葉を否定するのには慣れっこだ」と彼は書く。だが多くの場合、「トランプは責任回避のためではなく、本当に重要な事実を覚えていないようだ」というのだ。

「カテゴリー5のハリケーン」って何?

たとえばトランプはある時、「カテゴリー5のハリケーンなんて聞いたこともない」と言ったという。だが実際には、トランプは就任してから少なくとも4回、カテゴリー5のハリケーンについてブリーフィングを受けていた。

「彼は過去のブリーフィングを忘れてしまっていたのだろうか?」と著者は問いかる。「それとも、どれもちゃんと聞いていなかったのか?何百万人ものアメリカ人に影響を及ぼす現象なのに、彼の頭には残っていなかった」

また著者は、トランプはよく自分自身をとても知的な人間だと言ってきたが、自分たちは「大統領が知的に話そうとして失敗するのを、何度も見てきた」とも書く。

「政府の高官たちが、トランプのことを陰で『ばか』とか『脳なし』とか、理解力が『小学5年生か6年生並み』と言う理由が分かるはずだ」

またトランプは自分が言ったことや人から聞いたことを思い出せないだけでなく、「度肝を抜かれるほど不勉強だ」とも著者は批判する。

<参考記事>【写真特集】ポルノ女優から受付嬢まで、トランプの性スキャンダルを告発した美女たち
<参考記事>トランプ政権の暴露本が、ここまで話題になる理由

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

独当局、ディープシークをアプリストアから排除へ デ

ビジネス

アングル:株価急騰、売り方の悲鳴と出遅れ組の焦り 

ワールド

焦点:ウクライナ、対ロシア戦の一環でアフリカ諸国に

ビジネス

ECB、インフレ目標達成へ=デギンドス副総裁
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本のCEO
特集:世界が尊敬する日本のCEO
2025年7月 1日号(6/24発売)

不屈のIT投資家、観光ニッポンの牽引役、アパレルの覇者......その哲学と発想と行動力で輝く日本の経営者たち

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門家が語る戦略爆撃機の「内側」と「実力」
  • 2
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉仕する」ポーズ...アルバム写真に「女性蔑視」批判
  • 3
    韓国が「養子輸出大国だった」という不都合すぎる事実...ただの迷子ですら勝手に海外の養子に
  • 4
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 5
    【クイズ】北大で国内初確認か...世界で最も危険な植…
  • 6
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝…
  • 7
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 8
    伊藤博文を暗殺した安重根が主人公の『ハルビン』は…
  • 9
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 10
    単なる「スシ・ビール」を超えた...「賛否分かれる」…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の「緊迫映像」
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 7
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 8
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 9
    飛行機内で「最悪の行為」をしている女性客...「あり…
  • 10
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 4
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 8
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中