最新記事

2020米大統領選

それでも僕らがトランプを支持する理由

YOUNG TRUMP SUPPORTERS

2019年11月8日(金)16時40分
ビル・パウエル(本誌シニアライター)

magw191108_Trump2.jpg自分たちが信じる
もののために
勇敢に
戦わなければ
文化も国も大きく
変わってしまう
ことが分かった
──イザベル・ブラウン(22)

COURTESY OF ISABEL BROWN

自分と同年代の大半は「反抗心がなく、特に思慮深いわけでもない。彼らは政治的に正しい『進歩的な政策』を、忠実に支持しなければならないと思っている」と、ブラウンは語る。このような環境で「真の反抗とは、『私は賛成しない』と声を上げること。自分が信じるもののために勇敢に戦わなければ、文化も国も大きく変わってしまうことを、私たちは学んできた」。

「保守派」学生団体の組織戦

若いトランプ支持者は、政治的に希少な存在というだけではない。2020年の米大統領選に向けてトランプ陣営の選対本部長を務めるブラッド・パースケールによると、再選のカギを握る有権者グループは、18〜29歳の若者と、中道寄りの無党派の女性および共和党支持の女性だ。

2012年の大統領選でバラク・オバマは若年層の60%の支持を得て再選を果たしたが、2016年の民主党候補ヒラリー・クリントンは55%だった。多くの若者が彼女を「ワクワクする」候補者と見なさなかったのだ。「今回も接戦になりそうだから、トランプが前回よりうまく若者に対応できれば決定的な要因になり得る」と、米クィニピアク大学の世論調査アナリスト、メアリー・スノーは言う。

2016年の大統領選でトランプは若者票の37%を獲得したが、選挙戦は無秩序で、資金も十分ではなかった。しかし、今回は違う。トランプ陣営は既に1億2500万ドル以上を集めており、激戦州では若い有権者にターゲットを絞った選挙戦を展開している。

2016年に陣営のメディア戦略を取り仕切ったパースケールは、「従来の地上戦での組織づくり」でも若い有権者を獲得していくと語る。

さらに、バーチャルとリアルな世界の双方で、2016年にはなかった大きな援軍を得られそうだ。

その1つである「ターニングポイントUSA」は、7年前に当時18歳のチャーリー・カークが立ち上げた保守派──ここでは「トランプ支持」という意味でもある──の学生団体だ。全米の大学に1500以上の支部があり、公称4万人以上の会員を擁する。

カークは来年から、2012年のオバマ陣営を手本に活動を本格化させる。全米のキャンパスでソーシャルメディア戦略と同じくらい、地道な草の根の組織づくりにも力を入れる。

「若い有権者を狙ったこれほど大規模な共和党支持の活動は、かつてなかった。僕たちは変化を起こす」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国、今後5年間で財政政策を強化=新華社

ワールド

インド・カシミール地方の警察署で爆発、9人死亡・2

ワールド

トランプ大統領、来週にもBBCを提訴 恣意的編集巡

ビジネス

訂正-カンザスシティー連銀総裁、12月FOMCでも
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 2
    ヒトの脳に似た構造を持つ「全身が脳」の海洋生物...その正体は身近な「あの生き物」
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 5
    「不衛生すぎる」...「ありえない服装」でスタバ休憩…
  • 6
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 7
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 8
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 9
    「腫れ上がっている」「静脈が浮き...」 プーチンの…
  • 10
    『トイ・ストーリー4』は「無かったコト」に?...新…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前に、男性が取った「まさかの行動」にSNS爆笑
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 8
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 9
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 10
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中