最新記事

香港

香港デモ隊、新華社のビルを標的に 中国メディア「厳しい対応」求める

2019年11月5日(火)10時49分

香港で週末に行われたデモで中国国営新華社のビルなどが破壊行為の標的となったことを受け、中国国営メディアは、当局はデモ隊に「より厳しい姿勢」で対応する必要があると訴えた。写真は新華社の香港オフィス。2日撮影(2019年 ロイター/Tyrone Siu)

香港で週末に行われたデモで中国国営新華社のビルなどが破壊行為の標的となったことを受け、中国国営メディアは4日、当局はデモ隊に「より厳しい姿勢」で対応する必要があると訴えた。

2日のデモでは地下鉄駅が放火されたほか、新華社のビルや米コーヒーチェーン大手スターバックスの店舗などが破壊された。

政府系英字紙チャイナ・デーリーは社説でデモ隊の行為を非難し、「暴力行為はいずれ法の重圧に直面することになるため失敗に終わる」と論じた。

中国共産党機関紙・人民日報傘下の環球時報も3日、新華社を標的としたデモ隊の行為を批判し、香港の法執行機関による対応を求めた。「新華社の象徴的なイメージを踏まえると、同社の支社への破壊行為は香港の法支配のみならず、中国本土と中央政府に対する挑発でもある」と非難した。

新華社の広報担当者はフェイスブックに「黒装束の暴徒の行為は、暴力の停止と秩序回復が香港にとって最も重要かつ喫緊の課題であることをあらためて示している」と投稿した。

香港のスターバックスは現地の飲食大手マキシムズ・ケータラーズが運営している。同社創業者の娘が国連人権理事会でデモ隊について批判的な発言をして以降、デモで繰り返し標的となっている。

警察によると、1日から3日にかけて行われた抗議活動で約300人が逮捕された。逮捕者の最年少は14歳としている。このほか、警察官少なくとも12人が負傷した。

週末の間に激化したデモでは、3日だけでも少なくとも30人が負傷。香港の病院当局によると、1人が重体となっている。

今週は警察行為に対する独立調査実施などに圧力を掛けるため、一段の抗議活動が計画されている。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20191105issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

10月29日発売号は「山本太郎現象」特集。ポピュリズムの具現者か民主主義の救世主か。森達也(作家、映画監督)が執筆、独占インタビューも加え、日本政界を席巻する異端児の真相に迫ります。新連載も続々スタート!


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

インドネシアとの貿易協定、崩壊の危機と米高官 「約

ビジネス

米エクソン、30年までに250億ドル増益目標 50

ワールド

アフリカとの貿易イニシアチブ、南アは「異なる扱い」

ワールド

グリーンランド、EU支援の黒鉛採掘計画に許可 期間
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【クイズ】アジアで唯一...「世界の観光都市ランキング」でトップ5に入ったのはどこ?
  • 3
    トランプの面目丸つぶれ...タイ・カンボジアで戦線拡大、そもそもの「停戦合意」の効果にも疑問符
  • 4
    中国の著名エコノミストが警告、過度の景気刺激が「…
  • 5
    「韓国のアマゾン」クーパン、国民の6割相当の大規模情…
  • 6
    死者は900人超、被災者は数百万人...アジア各地を襲…
  • 7
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 10
    イギリスは「監視」、日本は「記録」...防犯カメラの…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 8
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 9
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中