最新記事

アメリカ政治

政権奪回より大統領追放を! 米民主党員、選挙よりトランプ弾劾優先を希望

2019年10月9日(水)10時42分

米民主党党員の多くが、来年の政権奪回よりもトランプ大統領の弾劾を優先してほしいと考えていることが、ロイター/イプソスの最新世論調査で明らかになった。写真は日米貿易協定の署名式で話すトランプ氏。10月7日、ワシントンで撮影(2019年 ロイター/Kevin Lamarque)

来年の政権奪回よりもトランプ米大統領の弾劾を優先してほしい──。野党・民主党の党員の多くがこうした考えを持っていることが、ロイター/イプソスの最新世論調査で明らかになった。

調査は7─8日に実施。55%の民主党員は、弾劾手続きが長期化し、来年の大統領選に勝利する確率が低下するとしても、党指導部はそれを進めるべきだと答えた。

また自分たちにメリットがある法案の可決を先延ばしにする必要が出てきても、議会は弾劾を目指さなければならないとの声は、民主党員の66%に達した。

全有権者で見ると、弾劾支持は45%と先週の調査と変わっていない。ただ弾劾反対の割合は2%ポイント下がって39%となった。

トランプ氏は弾劾されるべきと回答した民主党員は79%で、先週比5%ポイント上昇。共和党員の弾劾支持は12%、無党派層は約33%でいずれも先週とほぼ同じだった。

トランプ氏が民主党の有力なライバルであるバイデン前副大統領とその息子に関する捜査でウクライナのゼレンスキー大統領に不当な働き掛けをした、との内部告発が行われて以来、トランプ氏弾劾を支持する動きは強まっている。

今回調査では、全有権者の51%がトランプ氏はゼレンスキー氏に「圧力をかけた」との見方に同意し、そう思わないとした27%を大きく上回った。

ゼレンスキー氏とトランプ氏の会話中に弾劾に値する内容があるかどうか議会が調査すべきだとの意見にも59%が賛成した。

ブルッキングス研究所のエレイン・カマーク上級研究員は、民主党の穏健派とペロシ下院議長が、ゼレンスキー氏とトランプ氏の電話会談記録公表後に弾劾に前向きな姿勢に転換したと指摘。今回の調査では、多くの党員がこうした方針を支持していることが示されたと説明した。

[ニューヨーク 8日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます




20191015issue_cover200.jpg
※10月15日号(10月8日発売)は、「嫌韓の心理学」特集。日本で「嫌韓(けんかん)」がよりありふれた光景になりつつあるが、なぜ、いつから、どんな人が韓国を嫌いになったのか? 「韓国ヘイト」を叫ぶ人たちの心の中を、社会心理学とメディア空間の両面から解き明かそうと試みました。執筆:荻上チキ・高 史明/石戸 諭/古谷経衡


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、ウクライナ「安全の保証」関与表明 露ウ

ワールド

ウクライナ安全保証を協議、NATO加盟は議論せず=

ビジネス

米アリアンツ・ライフ、サイバー攻撃で顧客110万人

ビジネス

豪ウッドサイド、上期は前年比24%減益 価格下落と
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
2025年8月26日号(8/19発売)

中国の圧力とアメリカの「変心」に危機感。東アジア最大のリスクを考える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに感染、最悪の場合死亡も
  • 2
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コロラド州で報告相次ぐ...衝撃的な写真の正体
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    【クイズ】2028年に完成予定...「世界で最も高いビル…
  • 5
    AIはもう「限界」なのか?――巨額投資の8割が失敗する…
  • 6
    【クイズ】次のうち、「海軍の規模」で世界トップ5に…
  • 7
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 8
    アラスカ首脳会談は「国辱」、トランプはまたプーチ…
  • 9
    「これからはインドだ!」は本当か?日本企業が知っ…
  • 10
    米ロ首脳会談の失敗は必然だった...トランプはどこで…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...「就学前後」に気を付けるべきポイント
  • 3
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コロラド州で報告相次ぐ...衝撃的な写真の正体
  • 4
    「笑い声が止まらん...」証明写真でエイリアン化して…
  • 5
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 6
    「長女の苦しみ」は大人になってからも...心理学者が…
  • 7
    【クイズ】次のうち、「海軍の規模」で世界トップ5に…
  • 8
    「何これ...」歯医者のX線写真で「鼻」に写り込んだ…
  • 9
    債務者救済かモラルハザードか 韓国50兆ウォン債務…
  • 10
    「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」(東京会場) …
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 9
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 10
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中