最新記事

テクノロジー

テスラ自動運転車の「呼び寄せ機能」で事故、ツイッターで相次ぎ報告

Drivers Say Teslas Getting Into Accidents With New Smart Summon Feature

2019年10月1日(火)14時00分
ブレーク・ドッジ

また別のユーザーは、ほかの車のいない私道でスマート・サモン機能を試した結果、車の泥よけ部分が壊れたとしてツイッターに写真を投稿した。

@abgoswamiの車は、ガレージの側壁に突っ込んだという。彼はほかのユーザーたちに、「呼び寄せ機能」は安全ではなく、リリース可能な状態ではないと警告した。「大好きな車だったのに悲しい」と投稿した。

もしも一連の事故の原因が本当にスマート・サモン機能なら、テスラの運転支援システム「オートパイロット」に絡む衝突事故がまた増えたことになる。3月にモデル3がセミトレーラーと衝突し、運転していた男性が死亡した事故も、このオートパイロットの作動中に起きた。

テスラは2019年第2四半期に発表した車両安全報告書の中で、4月から6月の間にオートパイロットを作動させていたドライバーが起こした事故は「327万マイルに1回の割合」だと説明している。全米平均は「58万マイルに1回程度」だから、それに比べればかなり低い割合だ。だが、テスラがオートパイロットの絡んだ事故の割合を報告し始めてから、事故率が減少に転じたのはこれが初めてだ。

「車の動作に責任を持ち、常に周囲の監視を」

同じ週末のツイッター上には、スマート・サモン機能を試して成功したという書き込みも多くあった。@i1Teslaは、約45メートル先にある駐車場からスマート・サモン機能で何の問題もなく車を呼び寄せることができたと報告した。周りに車はいなかった。

広い駐車場の端から車を呼び寄せたという別のユーザーも、特に問題はなかったと投稿した。

ソフトウェアの更新にあたってテスラは、呼び寄せる車は目視できる場所になければならないと警告。さらに、スマート・サモン機能を使う人は「車の動作に責任を持ち、常に周囲を監視」しなければならないとも説明している。

何だ、使えないじゃないかと思うかもしれないが、テスラ側は、ドライバーたちはさまざまな状況でこの機能を使うことができると指摘する。

「両腕に買い物袋を抱えているときや雨で車まで歩きたくない時にぴったりのだ」と、同社は言う。

テスラ、あるいは創業者のイーロン・マスク本人がスマート・サモン機能の成功(または失敗)についてどう考えているのかは分からない。本誌はこの一件についてコメントを求めたが、これまでのところ回答はない。

(翻訳:森美歩)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アクティビストのスターボード、米ファイザーの全保有

ワールド

米NY州知事、法人税引き上げ検討 予算不足に備え=

ビジネス

午前の日経平均は続落、見極めムード 中国関連は大幅

ワールド

マクロスコープ:日中関係悪化、長期化の様相 201
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生まれた「全く異なる」2つの投資機会とは?
  • 3
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃度を増やす「6つのルール」とは?
  • 4
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 5
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国…
  • 6
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 7
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 8
    レアアースを武器にした中国...実は米国への依存度が…
  • 9
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 10
    反ワクチンのカリスマを追放し、豊田真由子を抜擢...…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 9
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 10
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中