一方で、中国は、個人情報収集が容易、かつ国家主導でとてつもないスピードで物事が決まっていく。社会インフラが一定の水準で整備されている先進国では、先端都市開発のコストに対するリターンが小さく、住民がメリットを感じにくいことも合意を取り付ける妨げとなるだろう。しかし、日本を含む民主主義国家が先端都市計画に向けた合意形成に時間を取られているうちに、他国との差は確実に広がっていく。第四次産業革命に対応した技術と都市開発は、非民主主義国家の独壇場となる恐れがあるのだ。

秋の臨時国会でスーパーシティ構想実現のための法案が成立することが期待されているが、それはスタートラインに立つにすぎない。過去、特区構想に対して批判が集まり、逆風が吹いている。また、個人データの提供に前向きでない日本人の合意形成を築くことは、容易ではないだろう。

実際に、スーパーシティが実現出来るかどうか、そして日本の成長へと繋げられるかは、国、自治体、住民、企業など、様々なステークホルダーが一丸となり進められるかにかかっている。

*この記事は、ニッセイ基礎研究所レポートからの転載です。

NISSEI_Shimizu.jpeg[執筆者]
清水 仁志 (しみず ひとし)
ニッセイ基礎研究所

総合政策研究部 研究員・経済研究部兼任
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