最新記事

金融市場

トランプのツイートと市場の相関関係は?大手米銀JPモルガンが大真面目に「ツイッター指数」を計算

JPMorgan Launches 'Volfefe Index' to Track how Donald Trump's Tweets Impac

2019年9月10日(火)17時50分
ダニエル・アベリー

トランプのツイートは株価も動かしているかもしれない  Brendan McDermid-REUTERS

<2017年1月に大統領になって以降、トランプのツイートが市場に与える影響は次第に大きくなっている。共通するワードも浮かび上がった>

米金融大手JPモルガン・チェースは、ドナルド・トランプ米大統領のツイートが、市場にどう影響するかを追跡する特別な指数を考案した。

その名称は「Volfefe指数」。「ボラティリティ(変動率)」と、トランプがかつてツイッターでつぶやいた意味不明の言葉「covfefe」を掛け合わせている。

<参考記事>トランプ大統領がツイートした画像から偵察衛星の能力がダダ漏れ

JPモルガンのアナリストは、トランプのツイートが以前より増えていることと、それがもたらす影響に着目した。2017年1月の大統領就任以来、トランプのツイート回数は1日平均で10回を超え、大統領としてのツイート総数はおよそ1万4000件におよんでいる。

JPモルガンは声明で、「大統領がツイートする内容は、次第に市場を動かす力を持ち始めている。最も目立つのは貿易と金融政策だ」と述べた。「そして、ツイートが投稿された直後にアメリカの市場金利が変動するケースも増えている。有力な証拠もある」

「市場を動かす」トランプのツイートには、似たようなキーワードが使われているという。「China(中国)」「billions(10億)」「dollar(ドル)」「tariff(関税)」「trade(貿易)」などだ。もっともこれらのツイートは、リツイートされたり「いいね」されたりすることはあまり多くないようだ。

これは株価操作なのか?

「私たちは、市場を動かすそうしたツイートが、(複合金融商品)スワップションのボラティリティをどの程度押し上げているのかを示す大まかな目安を出すことができる」と、JPモルガンは言う。「Volfefe指数によって、インプライド・ボラティリティ(予想変動率)の動きの測定可能な部分を説明することができる。とくに短期利回り商品の場合だ」

JPモルガンは、各々のツイートの影響を評価する上でこの指数の有用性は「いくぶんは限られている」としながらも、機械学習訓練用に利用すれば、どんなツイートが市場にどの程度の影響を与えるかを推測することができる」と述べた。

<参考記事>「トランプのツイッターブロックは憲法違反」なら、オカシオコルテスも?

トランプはかねてから、ツイートで市場を動かそうとしているのではないかと非難されてきたが、JPモルガンは「株の単一銘柄からマクロ商品にいたるまでの幅広い資産の値動きが、アメリカ最高司令官のトランプのごく一部のツイートに左右されるようになっている」と指摘する。

謎の言葉「covfefe」は、トランプが2017年5月末にツイートしたもので、すぐに削除されたが、ネット上ではミームとして大いに盛り上がった。

(翻訳:ガリレオ)

20190917issue_cover200.jpg
※9月17日号(9月10日発売)は、「顔認証の最前線」特集。生活を安全で便利にする新ツールか、独裁政権の道具か――。日常生活からビジネス、安全保障まで、日本人が知らない顔認証技術のメリットとリスクを徹底レポート。顔認証の最先端を行く中国の語られざる側面も明かす。


ニューズウィーク日本版 イラン革命防衛隊
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年3月24号(3月17日発売)は「イラン革命防衛隊」特集。イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国首相、フォーラムで一段の経済開放約束 日本企業

ワールド

G7、エネ供給支援へ必要な措置講じる用意 外相声明

ワールド

トランプ氏、米空港にICE捜査官派遣と警告 予算巡

ワールド

トランプ氏、イランに48時間以内のホルムズ開放求め
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ海峡封鎖と資源価格高騰が業績を押し上げ
  • 2
    「カメラの目の前」で起きた爆発の瞬間...取材中の記者に、イスラエル機がミサイル発射(レバノン)
  • 3
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 ──「成功」が招く自国防衛の弱体化
  • 4
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 5
    人気セレブの「問題ビデオ」拡散を受け、出演する米…
  • 6
    スウェーデン次期女王ヴィクトリア皇太子、陸軍訓練…
  • 7
    「筋力の正体」は筋肉ではない...ストロングマンが語…
  • 8
    トランプ政権の「大本営」、イラン戦争を批判的に報…
  • 9
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 4
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 6
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 9
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラ…
  • 10
    「ネタニヤフの指が6本」はなぜ死亡説につながったの…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中