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朝鮮半島北朝鮮、元山付近から飛翔体2発発射 夏の米韓合同軍事演習へのけん制か
韓国軍合同参謀本部は、北朝鮮が早朝、東部元山付近から未確認の飛翔体を少なくとも2発発射したと発表した。写真は昨年4月、韓国側から撮影(2019年 ロイター/Kim Hong-Ji)
韓国軍合同参謀本部は、北朝鮮が25日早朝、東部元山付近から短距離弾道ミサイルを2発発射したと発表した。
韓国国防省の当局者がロイターに語ったところによると、ミサイル1発は海上を約430キロ飛行し、もう1発は690キロ飛行した。いずれも高度は50キロに達した。690キロ飛行したミサイルは新たな形態とみられており、詳細な分析が行われているという。
トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は、6月末に南北の非武装地帯で行った3回目の首脳会談で非核化を巡る協議再開で合意したが、弾道ミサイル発射は協議再開の見通しに影を落としそうだ。
ホワイトハウスと米国防総省、米国務省はコメントの求めに応じていない。
米政権の高官は「北朝鮮から発射された短距離の飛翔体に関する報道は承知している。それ以上のコメントはない」と述べた。
韓国大統領府は声明を発表し、同国はミサイルが発射される前に関連する兆候をとらえていたとし、米国と詳細な分析を行っていると説明した。
共同通信によると、日本政府は短距離弾道ミサイルであることを確認。安倍晋三首相は日本の安全保障に直ちに影響を与えることはないとの認識を示した。
日本の防衛省は、日本の領域や排他的経済水域(EEZ)への弾道ミサイルの飛来は確認されていないとしている。
韓国訪問を終えたばかりのボルトン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は25日朝にツイッターで、韓国政府当局者らと地域の安全保障や同盟関係の強化について「生産的な会合」を開いたと述べたが、北朝鮮のミサイル発射については触れなかった。
米朝は非核化を巡る実務協議を近く開始することで合意していたが、北朝鮮はその後、米韓が今夏に予定する合同軍事演習を強く非難。
北朝鮮外務省報道官は今月、米韓合同軍事演習が夏に実施されれば、米朝実務者協議に影響すると警告。「米国が約束を守らないのであれば、我々が(1回目の米朝首脳会談での)合意にとどまる理由は薄れる」とも述べた。
米シンクタンク「センター・フォー・ザ・ナショナル・インタレスト」のハリー・カジアニス氏は「北朝鮮は明らかに、米韓が合同軍事演習を実施することに憤慨している」と指摘。
「(ミサイル発射)に衝撃を受ける必要はなく、むしろ想定すべきだった」と述べた。
北朝鮮による直近の兵器実験は5月で、短距離ミサイルと小型のロケットだった。
北朝鮮国営の朝鮮中央通信社(KCNA)は23日、金委員長が、ミサイルプログラムを主導する当局者らを伴って、新たに建造された大型潜水艦を視察したと伝えた。潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の開発継続を示唆している可能性がある。
韓国外務省の朝鮮半島平和交渉本部長を務めたキム・ホンギュン氏は「ミサイルの発射、軍事演習の非難、新たな潜水艦を通じ、北朝鮮は明確なメッセージを送っている。米国がより柔軟な姿勢を示さなければ、作業レベルの協議はないかもしれないというものだ」と語った。
*内容を追加しました。
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