最新記事

ヘイトスピーチ

ムスリム女性議員の殺害を呼び掛けるようなヘイト投稿をしてもトランプのツイッターはなぜ止められないのか

Twitter Urged to Suspend Trump After Omar Attack

2019年4月15日(月)19時50分
クリスティーナ・チャオ

ナンシー・ペロシ下院議長やアレクサンドリア・オカシオコルテス下院議員、バーニー・サンダース上院議員やエリザベス・ウォーレン上院議員ら一部の有力民主党議員は、トランプの動画を強く批判している。

「連邦議会議員は大統領のあからさまな攻撃に反応する義務がある。オマルの生命は危険にさらされている。議員の1人が明らかな標的として危険にさらされていることに対して同僚議員が沈黙するなら、それは共犯に等しい」とオカシオコルテスはツイッターで述べた。「私たちは声を上げなければならない」 

ペロシも4月14日、声明を出し、トランプに「危険な」投稿を削除するよう求めるとともに、オマルの身の安全を図るために警護を強化したことを明らかにした。「オマル議員と家族、スタッフを守るために議会警察が安全評価を行っている。議会警察は議員が直面する脅威に対応するだろう」とペロシは述べた。

「大統領の言葉は非常に大きな重みを持つ。そして大統領の扇動的なヘイト発言は本物の危険を作り出す。トランプ大統領は自らの無作法かつ危険な動画を取り下げなければならない」

利用規約と「公人発言」のはざま

トランプは4月13日、この動画を自らのツイッターの一番上に固定し、14日にはリツイートしたものの、夕方には固定を外した。だが問題の動画の削除はしていない。

4月14日、オマルは自身のツイッターで、トランプのツイートが出てから「殺すという脅迫のツイートが増えている。多くは大統領が流した動画に呼応したものだ」

もし一般人がこんな脅迫を煽るツイートをすれば、ツイッターはすぐさまそのユーザーのアカウントを凍結するだろう。では、トランプのツイッターはなぜ生きているのか。

トランプのツイートがツイッターの利用規約に違反しているとの批判は以前からあるが、ツイッターはこれまで、トランプのアカウントに対して何の対応も取ってこなかった。

昨年1月の公式ブログで、同社はトランプを名指しはしなかったものの、世界のリーダーに一般ユーザーと同じ基準を当てはめない理由についてこう説明した。

「世界のリーダーをツイッターからブロックしたり、議論の的となっているツイートを削除したりすることは、人々が見て議論することがすべき重要な情報を隠すことになるだろう。それは当該のリーダーを黙らせることにはならず、彼らの発言や行動を巡る必要な議論を明らかに妨げてしまうだろう」

昨年8月のバズフィードとのインタビューで、ドーシーは公式ブログとほぼ同じ主張を繰り返す一方で、一般市民への攻撃は許容しないとの見方を示した。

指導者攻撃は民主政治のために放免し、一般人攻撃は許さないという二重基準は、慎重に考えて作られたものなのか。本当は、世界が注目するトランプというドル箱を失いたくないだけではないのか、もっと詳しい基準の説明が待たれる。

(翻訳:村井裕美)

ニュース速報

ビジネス

20年の独GDP成長率見通し、1.0%に引き下げ=

ワールド

英EU離脱巡る不透明性解消、世界経済に恩恵=世銀総

ビジネス

世界金融当局、「リブラ」など暗号通貨禁止せず=EC

ワールド

米中通商部分合意の達成へ弾み、FRBは正しい方向=

MAGAZINE

特集:AI vs. 癌

2019-10・22号(10/16発売)

ゲノム解析と人工知能で最適な治療薬を発見する究極の癌治療が人類を「最後の敵」から救う日

人気ランキング

  • 1

    韓国は、日本の対韓感情が大きく悪化したことをわかっていない

  • 2

    中国の探査機が月に持ち込んだ植物の種、ハエの卵......で起きていたこと

  • 3

    ヘイトに立ち向かったK-POPアイドル、ソルリ追悼写真集

  • 4

    ラグビーW杯で考えさせられる、日本の「おもてなし力」

  • 5

    日本と韓国の危険なゲームが世界経済を殺す

  • 6

    韓国で長引く日本製品不買運動、韓国企業への影響が…

  • 7

    韓国・文在寅の賃上げ政策が招いたこと──映画館からス…

  • 8

    トルコの侵攻を黙認する見返りに、米国、ロシア、シ…

  • 9

    消費税ポイント還元の公式アプリが「使えない」理由

  • 10

    イランで逮捕された「ゾンビ女」の素顔

  • 1

    韓国は、日本の対韓感情が大きく悪化したことをわかっていない

  • 2

    全米最悪93人の連続殺人犯が「驚異的」な記憶力で描いた被害者の肖像

  • 3

    イランで逮捕された「ゾンビ女」の素顔

  • 4

    ヘイトに立ち向かったK-POPアイドル、ソルリ追悼写真集

  • 5

    韓国・文在寅の賃上げ政策が招いたこと──映画館からス…

  • 6

    中国の探査機が月に持ち込んだ植物の種、ハエの卵...…

  • 7

    日本に巣食う「嫌韓」の正体

  • 8

    日本が「生産性が低すぎる国」になった五輪イヤー 衰…

  • 9

    「OK」のサインは白人至上主義のシンボルになったの…

  • 10

    ラグビー日本代表「多様性ジャパン」は分断と対立を…

  • 1

    韓国で長引く日本製品不買運動、韓国企業への影響が徐々に明らかに

  • 2

    写真撮影で「怪しいOKサイン」を出したテーマパークのスタッフが解雇

  • 3

    イランで逮捕された「ゾンビ女」の素顔

  • 4

    「OK」のサインは白人至上主義のシンボルになったの…

  • 5

    韓国は、日本の対韓感情が大きく悪化したことをわか…

  • 6

    繁殖を止めるために遺伝子組み換えされた蚊、自然界…

  • 7

    「独島が韓国の領土であるとの証拠は何もない」韓国…

  • 8

    米韓関係の険悪化も日本のせい⁉ 文在寅がまた不安な…

  • 9

    コモドドラゴンの体内に「鎧(よろい)」があること…

  • 10

    サウジ原油施設攻撃で世界は変わる

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

英会話特集 資産運用特集 グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
CCCメディアハウス求人情報
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
CHALLENGING INNOVATOR
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

絶賛発売中!

STORIES ARCHIVE

  • 2019年10月
  • 2019年9月
  • 2019年8月
  • 2019年7月
  • 2019年6月
  • 2019年5月