最新記事

監督インタビュー

斎藤工&松田聖子『家族のレシピ』のエリック・クー監督に聞く

2019年3月15日(金)16時30分
大橋 希(本誌記者)

――斎藤工さんとは以前から交流があった?

『TATSUMI』を東京国際映画祭でお披露目したとき、別所さんがパーティーを開いてくれた。そのとき工とは挨拶を交わした程度だったが、一昨年の始め、具体的に話を持ち掛けてスカイプで話したところ、真人の役にパーフェクトだなと思った。

真人の叔父役のマーク・リーはシンガポールの有名コメディアンですごく面白い人。彼と工の掛け合いはほぼアドリブでやっている。マークにはシングリッシュ(シンガポール独特の英語)の話し方をしてほしいと頼んだので、工はあまりよく分かっていないみたいだったが(笑)。マークが工をシンガポールのいろんな場所に連れ出してくれて、その仲のいい感じが現れていると思う。

今回の脚本は英語で書かれたものを日本語に訳したが、別所さん、伊原さん、聖子、工はみんな英語を理解するので、読み合わせのときに「このセリフはぴんとこない」とか「こう言ったほうがいい」とかアイデアを出してくれたのがとても良かった。

kazoku02.jpg

(c) Wild Orange Artists/Zhao Wei Films/Comme des Cinemas/Version Originale

――これからも日本との合作は予定している?

イエス。長年日本で撮りたいという気持ちはあったが、橘さんがこの話を持ちかけてくれるまで実現するとは思わなかった。でも『家族のレシピ』で日本のクルーや役者と仕事をして、本当にうまくいった感覚があったので、次回作も日本で撮ろうと思っている。

――松田聖子さんが、特に最後の場面など主役を食うほどの存在感があった。監督の愛情ゆえ?

僕は今でも彼女のレコードを持っているし、今回、サインもしてもらった(笑)。

彼女とは一昨年の5月頃にスカイプで話をしたが、憧れのアイドルと話をするのは「ワーオ」って感じだった。7月の撮影開始の2日前に初めて東京で会った。「これはインディペンデント作品なので、専用のバンを用意したりといったVIP対応はできません。たぶん箱の上に座って、みんなと一緒にケータリングのランチを食べたりすることになる。シンガポールは暑いし、蚊もいたりする」と説明したが、彼女は一言、「ノー、プロブレム(問題ない)」と。

聖子はスター気取りのところが全くなくて、仕事のやり方も本当にプロ。撮影期間は18日間しかなかったが、多くても3テイク、ほとんど1、2回で決めてくれた。マークも彼女の大ファンで、一緒に写真撮りたいんだけど......と周囲に頼んでいた。彼女とは今夜会うんですよ(笑)!

ニューズウィーク日本版 BTS再始動
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年3月31号(3月24日発売)は「BTS再始動」特集。7人の「完全体」で新章へ、世界が注目するカムバックの意味 ―光化門ライブ速報―

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

独IFO業況指数、3月は大幅低下 中東紛争で先行き

ビジネス

原油150ドルなら「世界不況」、ブラックロックCE

ビジネス

ソニー・ホンダモビリティ、EVモデルの開発・発売を

ビジネス

一時的インフレ上振れでも緩やかな引き締め必要な可能
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆保険」を達成した中国の医療保険の実態とは
  • 2
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」モナコ舞踏会に見る富と慈善
  • 3
    【クイズ】2年連続で「世界幸福度ランキング」で最下位になった国はどこ?
  • 4
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」…
  • 5
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店…
  • 6
    意外と「プリンス枠」が空いていて...山崎育三郎が「…
  • 7
    スペイン王室、王妃と王女の装いに見る「母から娘」…
  • 8
    「有事の金」が下がる逆説 イラン戦争で市場に何が…
  • 9
    「買ったら高いじゃん?」アカデミー賞会場のゴミ箱…
  • 10
    まずサイバー軍が防空網をたたく
  • 1
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 2
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 3
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 5
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 6
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ…
  • 9
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 10
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラ…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中