最新記事

領土紛争

中国が3万点の世界地図を破壊「国境が違う!」

China Destroys 30,000 World Maps With 'Problem' Borders

2019年3月27日(水)16時26分
トム・オコーナー

中国杭州の税関で押収された地図。台湾の位置が誤っていた(2018年4月18日) China Customs

<中国は、税関で政府の言い分と国の形が違う地図を押収し処分する>

中国当局は、中国が認めていない国境線が描かれた地図を大量に処分した。

山東省自然資源庁や税関などの共催で3月21日に開かれた「問題のある地図の調査状況報告会」は記者会見で、「問題がある地図」約3万枚が入った803箱を押収し、処分したと発表した。自然資源庁の地理情報管理部門によれば、今回の押収量は、ここ最近では最大規模だという。処分理由は、「台湾を国扱いしている(「中国台湾」と表記していない)」とか「国境線が誤っている」など。

中国は、インドや台湾をはじめとして多くの国や地域と国境問題を抱えている。台湾のことは自国の一部としているし、インドとはアクサイチン地区をめぐって対立している。アクサイチンは、インドとパキスタンが領有権を争うカシミール地方と中国の新疆ウイグル自治区の境目にあたる地域だ。またそれとは別に、ヒマラヤ東部に位置するアルナーチャル・プラデーシュ州の一部についても、中国政府はチベット南部の蔵南地区の一部と見なしている。幸福の国ブータンとの国境付近のドクラム高原も自国の領土だとしてインドと獲り合っている。

東シナ海や南シナ海に目を向ければ、日本やベトナム、インドネシア、フィリピン、マレーシア、ブルネイも中国と領有権争いを抱えている。

今月初めには、米化粧品ブランドMACが顧客に送ったDMに描いた中国地図に台湾が含まれていなかったとして、中国のネットユーザーから抗議の声が上がり謝罪する事件も起こった。中国の地図を描くときは気を付けて。

(翻訳:ガリレオ)

※4月2日号(3月26日発売)は「英国の悪夢」特集。EU離脱延期でも希望は見えず......。ハードブレグジット(合意なき離脱)がもたらす経済的損失は予測をはるかに超える。果たしてその規模は? そしてイギリス大迷走の本当の戦犯とは?

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:イラン戦争でインフレ再燃、トランプ政権に

ビジネス

NY外為市場=ドル下落、中東停戦維持期待で安全資産

ワールド

イラン交渉団がパキスタン到着、レバノン停戦要求 米

ビジネス

米国株式市場=まちまち、中東交渉控え様子見 ハイテ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの大誤算
特集:トランプの大誤算
2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収される...潜水艦の重要ルートで一体何をしていた?
  • 2
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 3
    停戦合意後もレバノン猛攻を続けるイスラエル、「国防軍は崩壊寸前」
  • 4
    撃墜された米国機から財布やID回収か、イラン側が拡…
  • 5
    目のやり場に困る...元アイスホッケー女性選手の「密…
  • 6
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 7
    「仕事ができる人」になる、ただ1つの条件...「頑張…
  • 8
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 9
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 10
    中国がイラン戦争一時停戦の裏で大笑い...一時停戦に…
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 3
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収される...潜水艦の重要ルートで一体何をしていた?
  • 4
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで…
  • 5
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 6
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始め…
  • 7
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐ…
  • 8
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 9
    撃墜された米国機から財布やID回収か、イラン側が拡…
  • 10
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収され…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中