最新記事

ロシア疑惑

ロシア疑惑「共謀なし」を祝うトランプ支持者、NY5番街を埋め尽くす

Trump Supporters Mark 'Happy No Collusion Day'

2019年3月25日(月)16時00分
ベンジャミン・フィアナウ

ニューヨークのタイムズスクエアに集まったトランプ支持者(3月24日) Carlo Allegri-REUTERS

<ロシア疑惑の捜査報告書と「新たな訴追なし」の報にトランプ支持者が集結。リベラルなニューヨークでは珍しい光景だ。このまま再選を目指す勢い?>

ロバート・ムラー特別検察官が、2016年米大統領選にまつわる「ロシア疑惑」の捜査報告書を提出した翌日の3月23日。この時点で報告書はまだ非公開だったが、新たな訴追はないという話が伝わると、ニューヨークにあるトランプ・タワーの外では、ドナルド・トランプ米大統領の支持者数百人が「『共謀なし』の日」を祝った。

ニューヨークの通りを埋め尽くしたトランプ支持者




トランプ・タワーに集まれと呼び掛けるツイート


5番街にあるトランプ・タワーの外に集まった支持者たちは、「アメリカを再び偉大に」と書かれた巨大な横断幕を振り、「共謀なし」と叫んだ。ニューヨークでトランプ支持の集会が行われるのはきわめて珍しい。

「No collusion(共謀なし)」と書いた紙ばさみを持ちご満悦のトランプ


ニューヨーク州、ニュージャージー州とコネティカット州の複数の親トランプ派の草の根組織とソーシャルメディア上のグループを通じて集められた支持者たちは、大統領と政権が起訴を免れたことを祝った。彼らは「アメリカは決して社会主義国家にはならない」と書かれたプラカードを掲げ、また複数の女性支持者は、メラニア・トランプが(不法移民の収容施設を訪れる際に)着用して物議を醸したときの、背中に「I really don't care, do you?(私は本当にどうでもいいんだけど)」と書かれたジャケットを身に着けていた。

この集会の前日である3月22日、ムラー特別検察官は、2016年の大統領選にロシアが介入した疑惑についての長期に及んだ捜査を終えて、ウィリアム・バー司法長官に報告書を提出した。

ベビーカーの赤ん坊までが「MAGA帽子」

そして3月24日、与野党双方から同報告書の全容を公開するよう求める声が上がるなか、司法省は上院司法委員会にムラーの報告書の概要を送付。「本捜査では、トランプ陣営のメンバーがロシア政府と共謀または連携したと立証されなかった」と述べた。現時点では、ロシアとの共謀に関連して新たな起訴が行われる見通しはない。

トランプ・タワーの外で集会を行った支持者たちは鋼の柵で周囲から隔離され、周辺には大勢の警官が配置された。支持者たちは家族総出で「トランプ2020」の横断幕を振り、ベビーカーに乗った赤ん坊たちまでが「MAGA(アメリカを再び偉大に、の頭文字)」のロゴ付き野球帽を被っていた。

(翻訳:森美歩)

ニューズウィーク日本版 英語で学ぶ国際ニュース超入門
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年5月6日/13日号(4月30日発売)は「英語で学ぶ 国際ニュース超入門」特集。トランプ2.0/関税大戦争/ウクライナ和平/中国・台湾有事/北朝鮮/韓国新大統領……etc.

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米人員削減、4月は前月比62%減 新規採用は低迷=

ビジネス

GM、通期利益予想引き下げ 関税の影響最大50億ド

ビジネス

米、エアフォースワン暫定機の年内納入希望 L3ハリ

ビジネス

テスラ自動車販売台数、4月も仏・デンマークで大幅減
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 7
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 8
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 9
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 10
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中