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睡眠時の無呼吸、放置は危険、記憶障害やうつの危険が潜む

2019年2月8日(金)17時10分
松丸さとみ

さらに、OSAとコントロールの両グループで、年齢が高いほど記憶が概括的(あいまい)であり、また、意味記憶が乏しいほどうつ病が強い、という傾向がみられたという。

ジャクソン博士は、OSAを治療しないと記憶処理にどのような影響が出るかについては「さらなる研究が必要」としながらも、「睡眠時無呼吸症候群の人の脳をスキャンすると、灰白質が著しく失われているのが分かる」と説明。失われた部分は、自伝的記憶のネットワークと関わっている部分だという。このネットワークがうまく機能しないことが記憶障害とうつの両方に関係しているのか、今後さらに調べる必要があると述べた。

ジャクソン博士は一方で、CPAP(持続陽圧呼吸療法)と呼ばれる機械を使ったOSAの治療法が、OSAによる認知機能障害を改善することが示されていると指摘。次の研究ステップとして、OSAを治療することで、記憶障害の改善のみならず、忘れてしまった記憶を取り戻すことも可能か否かを見極めたい、と語っている。

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