最新記事

韓国

フィリピンはゴミ捨て場か!と反韓の声 韓国業者が違法産廃を大量に「輸出」

2018年12月17日(月)18時00分
大塚智彦(PanAsiaNews)

フィリピンの韓国大使館に押し掛けた環境保護団体のメンバーたち  GMA News/YouTube

<世界最大のごみ投棄国で環境意識が高まったおかげで、行き場のなくなった韓国の廃棄物はフィリピンへ不法に輸出された──>

フィリピン国民の間で反韓国、嫌韓国の感情が高まりをみせている。韓国から輸入された「再生可能なプラスチックごみ」のはずが、実は「再生不能の産業廃棄物」で、しかも約6500トンという大量のゴミだったからだ。韓国の送り業者がはっきりしない中、行き場を失ったハングルのかかれた大量のゴミは集積所などで悪臭を放ち、蚊やハエを発生させ、周辺住民に深刻な影響を与え始める環境問題に発展している。

「フィリピンは韓国のゴミ捨て場なのか。早急に回収し、責任の所在を明確にせよ」と環境団体などの呼びかけで在マニラ韓国大使館にデモが押しかける騒ぎになっている。

2018年7月と10月の2回にわたって韓国からフィリピンの産業廃棄物輸入業者のもとに届いたコンテナには再生可能な空のペットボトルなどの「プラスチック類のかけら」が入っているはずだった。フィリピン税関当局への書類にもその記載があった。

ところがコンテナを開封したフィリピンの業者は中身が書類上のものとまったく異なることに仰天した。積み荷は輸入禁止の再生不可能な産業廃棄物や木材、洗濯機などの電化製品といった単なる「ごみ」で、輸入業者は「契約と異なる」として税関当局に被害を訴えた。

韓国政府に回収を要求

調査に乗り出した税関当局は、韓国側の輸出元が意図的にそうした「ごみ」を輸出したのかどうかは不明としながらも、韓国政府に対して厳しく抗議するとともに「ごみの早急な韓国への回収」を要求する事態となった。

税関当局の調査では韓国からのゴミは7月20日と10月20日の2回に分けてフィリピン南部ミンダナオ島の北部に位置する東ミサミス州の港にあるフィリピン側の輸入業者に届いた。ゴミは合計6500トンで、5100トンと1400トンに分けて送られた。

このうち5100トン分のゴミは輸入業者が所有する45000平方メートルの敷地に野積みにされ、高温と降雨などで悪臭が充満。水溜りでは大量のハエや蚊も発生するなど周辺住民の生活に影響を与え始めているという。

残る1400トンのゴミは陸揚げされたものの港のコンテナターミナルに51個のコンテナに入った状態で放置されたままになっているという。

こうした自国で処理できないゴミをわざわざ書類を偽ってまでフィリピンに押し付けるような韓国のやり方を地元マスコミも一斉に報道、韓国を批判したこともあり、国民の不満が爆発した。

その結果、11月15日にはフィリピンの環境保護団体約140の連合体である「エコウェスト連合」の呼びかけで群衆がマニラ市内の韓国大使館前に集まり、抗議の声をあげた。さらに11月28日には「クリスマス前のゴミの韓国送還」を求めるデモ隊がフィリピン関税庁前にも押しかける騒ぎとなった。

こうしたフィリピン側の強い反発を受けて韓国政府環境部もようやく重い腰を上げて大量のゴミの送還に向けた手続きを開始した、と地元マスコミは伝えている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

台湾総統「26年は重要な年」、主権断固守り防衛力強

ワールド

再送トランプ氏、シカゴやLAなどから州兵撤退表明 

ビジネス

ビットコイン、2022年以来の年間下落 最高値更新

ワールド

ゼレンスキー氏「ぜい弱な和平合意に署名せず」、新年
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめる「腸を守る」3つの習慣とは?
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙…
  • 5
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 6
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 7
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 8
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 9
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 10
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 10
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中