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「キャリアのピークは45歳」を信じるな!

Never Too Late

2018年11月15日(木)16時00分
ラチェル・ハンプトン

社会に大きな影響を与える仕事ができる時期は人によって異なることが明らかに Alvarez/iStockphoto

<仕事に最も脂が乗る時期は人によってさまざま、あなたの「奇跡の年」はこれから訪れるかも>

自分と同年代、あるいは(もっと情けないことに)自分よりも年下の誰かが華々しい業績を上げるのを横目に、うだつの上がらない自分に絶望しているあなた。英科学誌ネイチャーに発表された新研究を知れば、きっと元気が出るはずだ。

研究チームはアインシュタインの「奇跡の年」、すなわち時空の概念を根底から変えた3大論文が発表された1905年にヒントを得て、3万人近い科学者、美術家、映画監督のキャリアを分析。世の中に最大の影響を与えた論文や作品が生まれた時期はキャリアのさまざまな時点に分散しているのか、あるいは「その人の平均的な業績よりも、著しく高い業績を上げた時期」があったのかを調べた。

結果、調査対象者の実に9割で、社会に最大の影響を与えた3つの論文または作品が特定の時期に集中して生まれたことが分かった。ちなみに影響力の大きさは、科学者の場合は論文の引用数、美術家は作品の価格、映画監督はインターネット・ムービー・データベース(IMDb)のランキングで判定した。

キャリアの最盛期の長さは分野によって異なり、科学者では平均3.7年前後、映画監督は5.2年、美術家は5.7年だった。研究チームが「絶ホット・好調の時ストリーク期」と呼ぶこの時期は大半の人にみられるが、それがいつ訪れるかは人によって違う。駆け出し時代に輝かしい実績を上げる科学者もいれば、遅咲きの科学者もいるといった具合だ。

諦めないで挑戦すべき

意外なことに、絶好調の時期は最も多くの論文なり作品を生み出した時期とは重なっていなかった。量産すれば、いいものが生まれるわけではないのだ。

絶好調の時期が2回あった人は、美術家と科学者では25%足らず、映画監督では10%足らず。つまり、ほとんどの人には生涯に一度しか絶好調期は訪れないということだ。

ただし、それがいつ訪れるかは人によって異なるし、最も生産性が高い時期とも重ならない。だとすれば、私たちは人生のピークについての一般的な考えを見直す必要がありそうだ。

人生の最高の時期は27歳から45歳(せいぜいそれに数年の幅を持たせた程度)という見方が人々の意識に染み付いている。就職での年齢差別にみられるように、多くの人々は「働き盛りを過ぎたら、後は下り坂」だと思い込んでいる。

ネイチャーの論文はこうした通念を覆す。そして、あなたがいまキャリアのどの時期にあろうと、偉大な業績を成し遂げるのに遅過ぎることはないと教えてくれる。

これから第2、あるいは第3のキャリアに挑戦する人にとっては、とても心強い調査結果だ。「これまでは45歳を過ぎたら、はかばかしい業績は望めないと思われていた」と、研究を率いたノースウェスタン大学のダシュン・ウォン准教授はメディアに語っている。だが実際はいくつになっても「創造し続ける限り、これから最高の仕事ができる可能性はある」。

<本誌2018年11月6日号掲載>

※11月6日号は「記者殺害事件 サウジ、血の代償」特集。世界を震撼させたジャーナリスト惨殺事件――。「改革」の仮面に隠されたムハンマド皇太子の冷酷すぎる素顔とは? 本誌独占ジャマル・カショギ殺害直前インタビューも掲載。

© 2018, Slate

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