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選挙ドイツ与党ヘッセン州議会選でも敗北 メルケル首相交代巡る議論加速も
10月28日、ドイツ西部のヘッセン州で行われた州議会選挙で、メルケル首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)が議席を大きく減らす見通しとなった。ヘッセン州で23日、応援演説するメルケル首相(2018年 ロイター/Ralph Orlowski)
ドイツ西部のヘッセン州で28日行われた州議会選挙で、メルケル首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)が議席を大きく減らす見通しとなった。ZDFが伝えた暫定結果に基づく予想によると、CDUは第1党の座は維持するものの、得票率は27.2%と前回2013年に勝利した際の38.3%から大幅に落ち込む。
国政でCDUと大連立を組む中道左派・社会民主党(SPD)の結果はさらに悪く、得票率は19.6%と30.7%から低下し、1946年以来の最悪な結果となる。
ヘッセン州でCDUと連立を組む緑の党の得票率はSPDと同じ19.6%で躍進した。
選挙結果を受け、SPDのアンドレア・ナーレス党首は、CDUに対し、来年までに政策でさらなる結果を出すよう求め、改善がみられなければ大連立を解消すると圧力をかけた。
同党首は記者団に対し、ロードマップ(行程表)を用いて来年の中期的な見直しで連立政権の進展状況を確認するとし、その際には「政権がわれわれにとって適切な状況にあるかどうか明確になるだろう」と指摘。「政府の状況は受け入れ難い」と語った。
2週間前にはCDUの姉妹政党である保守与党のキリスト教社会同盟(CSU)がバイエルン州議会選で大敗しており、ヘッセン州でのCDUの結果を受けて、首相交代を巡る議論が加速する可能性がある。
ZDFによると、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」も得票率12.8%と躍進し、ヘッセン州で初めて議席を獲得する見通し。
昨年初めて連邦議会入りしたAfDは、今回の結果を受けて16州すべての議会でも議席を確保することになる。