最新記事

選挙

ドイツ与党ヘッセン州議会選でも敗北 メルケル首相交代巡る議論加速も

2018年10月29日(月)11時23分

10月28日、ドイツ西部のヘッセン州で行われた州議会選挙で、メルケル首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)が議席を大きく減らす見通しとなった。ヘッセン州で23日、応援演説するメルケル首相(2018年 ロイター/Ralph Orlowski)

ドイツ西部のヘッセン州で28日行われた州議会選挙で、メルケル首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)が議席を大きく減らす見通しとなった。ZDFが伝えた暫定結果に基づく予想によると、CDUは第1党の座は維持するものの、得票率は27.2%と前回2013年に勝利した際の38.3%から大幅に落ち込む。

国政でCDUと大連立を組む中道左派・社会民主党(SPD)の結果はさらに悪く、得票率は19.6%と30.7%から低下し、1946年以来の最悪な結果となる。

ヘッセン州でCDUと連立を組む緑の党の得票率はSPDと同じ19.6%で躍進した。

選挙結果を受け、SPDのアンドレア・ナーレス党首は、CDUに対し、来年までに政策でさらなる結果を出すよう求め、改善がみられなければ大連立を解消すると圧力をかけた。

同党首は記者団に対し、ロードマップ(行程表)を用いて来年の中期的な見直しで連立政権の進展状況を確認するとし、その際には「政権がわれわれにとって適切な状況にあるかどうか明確になるだろう」と指摘。「政府の状況は受け入れ難い」と語った。

2週間前にはCDUの姉妹政党である保守与党のキリスト教社会同盟(CSU)がバイエルン州議会選で大敗しており、ヘッセン州でのCDUの結果を受けて、首相交代を巡る議論が加速する可能性がある。

ZDFによると、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」も得票率12.8%と躍進し、ヘッセン州で初めて議席を獲得する見通し。

昨年初めて連邦議会入りしたAfDは、今回の結果を受けて16州すべての議会でも議席を確保することになる。

[ベルリン 28日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 ISSUES 2026
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月30日/2026年1月6号(12月23日発売)は「ISSUES 2026」特集。トランプの黄昏/中国AIに限界/米なきアジア安全保障/核使用の現実味/米ドルの賞味期限/WHO’S NEXT…2026年の世界を読む恒例の人気特集です

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

中国製造業PMI、12月は9カ月ぶり節目回復 非製

ビジネス

エヌビディア、イスラエルAI新興買収へ協議 最大3

ビジネス

ワーナー、パラマウントの最新買収案拒否する公算 来

ワールド

UAE、イエメンから部隊撤収へ 分離派巡りサウジと
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめる「腸を守る」3つの習慣とは?
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 5
    「サイエンス少年ではなかった」 テニス漬けの学生…
  • 6
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 7
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 8
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 9
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 10
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中