最新記事

中東

トランプ、殺害疑いのカショギ記者巡り国務長官をサウジへ トルコはサウジ領事館を捜査

2018年10月16日(火)10時30分

10月15日、トランプ米大統領は、サウジアラビア反政府記者ジャマル・カショギ氏がトルコで行方不明になった問題を巡り、ポンペオ国務長官をサウジに派遣し、サルマン国王と会談することを明らかにした。写真は8日、イスタンブールで撮影(2018年 ロイター/Murad Sezer)

トランプ米大統領は15日、サウジアラビア反政府記者ジャマル・カショギ氏がトルコで行方不明になった問題を巡り、ポンペオ国務長官をサウジに派遣し、サルマン国王と会談することを明らかにした。

ポンペオ長官はサウジ訪問後、トルコにも立ち寄る予定。

カショギ氏は今月2日にイスタンブールのサウジ領事館訪問後に行方不明となり、同氏が館内で殺害された疑いが指摘されている。

トランプ大統領はこの日、カショギ氏失踪を巡り、サルマン国王と電話で20分程度会談。その後、サルマン国王がカショギ氏に何が起こったのか一切分からないと述べ、疑惑を「非常に強く否定した」と記者団に明らかにした。

その上で「ならず者の殺害者が関与している可能性もある」との見方も示した。

大統領はこの発言の根拠を示しておらず、米民主党議員からは批判の声が上がった。

民主党のクリス・マーフィー上院議員はツイッターへの投稿で「『ならず者の殺害者』というばかげた見解にサウジは同調するだろう。サウジは間違いなく、このセオリーの広報として大統領を味方に付けることができるだろう」と語った。

米CNNは15日、匿名の関係筋2人の話として、サウジ当局は、カショギ氏に取り調べを行ったところ誤って死亡させたとする報告書を準備していると伝えた。サウジ政府からのコメントは得られていない。

トランプ大統領はこれについて「公式の報告書かどうか分からない」と指摘した。

またニューヨーク・タイムズ(NYT)紙は、サウジの皇太子がカショギ氏の取り調べを承認したと報道。サウジ政府は皇太子を守るため、情報機関当局者を非難しようとしているとの見方を示した。

トランプ大統領はまた、「問題を未解決のままにはしない」とし、ポンペオ長官をサウジに派遣する方針を明らかにした。

米国務省によると、ポンペオ長官は同日、サウジの首都リヤドに向かう。同省は声明で「トランプ大統領は、ワシントン・ポスト紙のジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏の失踪問題を巡り、迅速かつオープンな調査を要請した」と述べた。

トランプ大統領は週末、カショギ氏が領事館内で殺害されたのが事実なら、サウジに「厳罰」を科すと警告。サウジはこれに対し、経済制裁の発動警告を含むいかなる脅迫も「断固拒否」すると表明、制裁を受ければ報復するとけん制した。

こうした中、カショギ氏がイスタンブールのサウジ領事館内で殺害されたことを示す音声記録をトルコ警察当局が入手したと、トルコ治安当局筋が明らかにしている。

トルコの警察当局は15日夜、サウジ領事館に入った。これより前、トルコの外交筋はトルコとサウジの合同部隊が領事館の捜索を行うとしていた。サウジ当局者はロイターに対し、合同部隊の情報を基にサルマン国王が内部調査を行うよう指示したことを明らかにした。

[アンカラ/ワシントン 15日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 トランプのイラン攻撃
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年3月10号(3月3日発売)は「トランプのイラン攻撃」特集。核・ミサイル開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。アメリカとイランの全面戦争は始まるのか?

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トルコ、イランの弾道ミサイル迎撃 NATO防空シス

ワールド

対イラン作戦、現時点で地上部隊投入は含まれず=米報

ビジネス

ロシアのタンカー沈没、ウクライナ無人機攻撃か プー

ワールド

イラン外相「攻撃は米国が標的」と説明、カタールは否
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで続くのか
  • 2
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られる」衝撃映像にネット騒然
  • 3
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 4
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 5
    「外国人が増え、犯罪は減った」という現実もあるの…
  • 6
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 7
    「イランはどこ?」2000人のアメリカ人が指差した場…
  • 8
    戦術は進化しても戦局が動かない地獄──ロシア・ウク…
  • 9
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 10
    核合意寸前、米国がイラン攻撃に踏み切った理由
  • 1
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 2
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 3
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 4
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 5
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 6
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの…
  • 7
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 8
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 9
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 10
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中