最新記事

北朝鮮非核化

金正恩「核・ミサイル実験場に査察官受け入れの用意」 米国務長官との会談で

2018年10月9日(火)08時03分

ポンペオ米国務長官は8日、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は同国の核・ミサイル実験場に国際査察官を受け入れる用意があると明らかにした。Jung Yeon-je/Pool via REUTERS

ポンペオ米国務長官は8日、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は同国の核・ミサイル実験場に国際査察官を受け入れる用意があると明らかにした。

査察官の受け入れをめぐる問題はこれまで、非核化協議進展の障害の1つとなっていた。

ポンペオ長官はソウルから北京に出発する前に記者団に対し「(査察の実施には)多くの計画が必要だ」と述べ、米朝が詳細で合意すれば直ちに査察官がミサイルエンジン実験施設と豊渓里の核実験場を訪問すると説明した。

2度目の米朝首脳会談の詳細について両国が合意に「かなり近い」ことも明らかにした。その上で「最も重要なのは、次回の首脳会談で実質的な進展が可能だと両首脳が信じていることだ」と述べた。

ポンペオ氏に同行した米国のビーガン北朝鮮担当特別代表は、北朝鮮外務省の崔善姫・北米局長と「できるだけ早期に」会談することを7日に提案したとし、具体的な日程と場所について協議していると明らかにした。

金委員長は9月の南北首脳会談で、米国が相応の措置を取れば寧辺の核施設を廃棄する用意があると表明した。韓国の文在寅大統領は、米国による相応の措置には朝鮮戦争の終戦宣言が含まれるとしている。

ポンペオ長官は寧辺施設の閉鎖に進展があるかについてコメントを控えた。

南北首脳会談で北朝鮮は、東倉里のミサイルエンジン実験場とミサイル発射台を「関係国の」専門家の立ち会いの下で「永久に廃棄」することも表明した。

米国務省のナウアート報道官は7日、金委員長が豊渓里の核実験場が不可逆的に廃棄されたことを確認するための査察官を招待したと明らかにした。

北朝鮮は5月に豊渓里の核実験場を破壊した際、国際査察官を招くとしていた約束を守らず、批判が出ていた。

韓国の文大統領は8日、金委員長が近くロシアを訪問する見通しだと述べた。中国の習近平国家主席が北朝鮮を訪問する見込みとも述べたが、詳細は明らかにしなかった。



[ソウル 8日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 英語で学ぶ国際ニュース超入門
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年5月6日/13日号(4月30日発売)は「英語で学ぶ 国際ニュース超入門」特集。トランプ2.0/関税大戦争/ウクライナ和平/中国・台湾有事/北朝鮮/韓国新大統領……etc.

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

インド4月自動車販売、大手4社まだら模様 景気減速

ビジネス

三菱商事、今期26%減益見込む 市場予想下回る

ワールド

米、中国・香港からの小口輸入品免税撤廃 混乱懸念も

ワールド

アングル:米とウクライナの資源協定、収益化は10年
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 5
    ウクライナ戦争は終わらない──ロシアを動かす「100年…
  • 6
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    目を「飛ばす特技」でギネス世界記録に...ウルグアイ…
  • 9
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 10
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 8
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中