最新記事

キャッシャーレス

レジなしコンビニ「Amazon Go」レポート あまりにスムーズで戸惑う人続出

2018年10月12日(金)15時30分
後藤文俊(アメリカ流通コンサルタント)

「本当に商品を持って出ていってもいいの?」と尋ねる人が後を絶たない 写真は2号店 撮影:後藤文俊

<10月8日レジなしコンビニの「Amazon Go(アマゾン・ゴー)」5号店がシカゴ市内にオープンした。今後の展開はどうなる...>

3,000店舗展開と報じられたレジなしコンビニエンスストアの「Amazon Go(アマゾン・ゴー)」は10月8日、5号店目をシカゴ市内にオープンした。

Amazon Goは、人工知能やコンピューターヴィジョンを駆使することで、レジでの精算なしで食品を買うことができる革新的な店舗。レジなしで決済できることでレジがなく「キャッシャーフリー」「キャッシャーレス」とも呼ばれている。アマゾンゴーは10月11日現在、ワシントン州シアトル市内の3店舗とシカゴ市内に1店舗ある。

今回オープンした5号店目はシカゴ初出店となる4号店(113 S Franklin St, Chicago, IL 60606)から3ブロック東にあるオフィスビルの1階(144 S Clark St, Ste 100, Chicago, IL 60603)。広さは34坪(1,200sqft)となり、これまで最小だったAmazon Go2号店40坪(1,450sqft)よりさらに狭い店舗となっている。プレスリリースなどの正式な発表はないが「Amazon Go」のサイトにはこれまでと同様、地図とともに5号店の情報が掲載されている。5号店目の営業時間は月曜〜金曜日の平日は朝6時〜夜9時となっている。周辺のオフィス客をターゲットにしているため4号店と同じように土・日は定休日となっている。

また商品についてもターゲット客を意識し「朝食、ランチ、ディナー、スナック」と4号店と同様な品揃えで、アルコールや卵やミルクなどのステープル食品の販売はない。サイトには「Coming Soon」として6号店目の住所も明らかにしている。6号店目もシカゴ市内(500 W Madison St, Chicago, IL 60661)で4号店、5号店から比較的近距離にある。

goto1112b.JPGシアトルの2号店

goto1112c.JPGシアトルの2号店

goto1112d.JPGシアトルの3号店

goto1112e.JPGシアトルの3号店

「本当に商品を持って出ていってもいいの?」と尋ねる人が後を絶たない

Amazon Goはスマートフォンにダウンロードした専用アプリのQRコードで入店する。チェックインするとゲートが開いて入店できるのだ。あとは購入したい商品を手に取り店を出ていくだけの「ジャスト・ウォーク・アウト(Just Walk Out)」で、アマゾン・アカウントにあるクレジットカードに自動的に課金される。カメラやセンサーで人と商品の動きを把握し、人工知能(AI)も駆使して正確に決済する。

筆者は1号店に何度も視察に訪れ、買い物もおこなっているが、誤ってチャージされたり、買い物しているのにチャージされなかったことはない。天井のカメラから見えないように別の人の手を上に重ねて商品を取ったりしてみたが、しっかり決済されていた。バッグを床においてそこに商品を入れていくスタイルもやったみた。スマートフォンの電源もオフにしたこともある。いずれもチャージされていた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

インド、パキスタンによる国境全域での攻撃発表 パキ

ビジネス

日経平均は続伸、米英貿易合意や円安を好感 TOPI

ビジネス

日本製鉄、今期純利益は42%減の見通し 市場予想比

ビジネス

リクルートHD、今期10%増益予想 米国など求人需
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 2
    ついに発見! シルクロードを結んだ「天空の都市」..最新技術で分かった「驚くべき姿」とは?
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 5
    骨は本物かニセモノか?...探検家コロンブスの「遺骨…
  • 6
    中高年になったら2種類の趣味を持っておこう...経営…
  • 7
    恥ずかしい失敗...「とんでもない服の着方」で外出し…
  • 8
    教皇選挙(コンクラーベ)で注目...「漁師の指輪」と…
  • 9
    韓国が「よく分からない国」になった理由...ダイナミ…
  • 10
    あのアメリカで「車を持たない」選択がトレンドに …
  • 1
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 2
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 3
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 4
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 5
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 6
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 7
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 8
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 9
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 10
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中