最新記事

自動運転

世界初、自動運転タクシーが営業走行実験 乗客「普通のタクシーと勘違いするほど自然」

2018年8月27日(月)13時56分

8月27日、タクシー大手の日の丸交通(東京・文京)と自動運転技術を開発するベンチャーのZMP(同)は、公道で自動運転タクシーの営業走行実験を始めた。写真は実験を開始する自動運転タクシー。都内で撮影(2018年 ロイター/Toru Hanai)

タクシー大手の日の丸交通(東京・文京)と自動運転技術を開発するベンチャーのZMP(同)は27日、公道で自動運転タクシーの営業走行実験を始めた。千代田区大手町と港区六本木の間の決められたルート、片道約5.3キロメートルを9月8日まで1日4往復する。公募で当選した客が片道1500円を支払って乗車した。両社によると、自動運転タクシーが客を乗せて営業走行するのは世界初という

センサーやカメラなどを搭載したミニバンタイプの自動運転車両を使い、日の丸交通がタクシーサービスを行う。自動で車線変更や右左折、停車などをこなし、ZMPが開発した自動運転システムが運転する。ただし、緊急時や交通状況によっては人が介入できるよう、運転席に日の丸交通の運転手、助手席にZMPのオペレーターが同乗する。

第1便として、千代田区の「大手町フィナンシャルシティ・グランキューブ」から港区の「六本木ヒルズ」までを妻と子供と一緒に乗車した男性は、運転操作や乗り心地が「普通のタクシーと勘違いするほど自然だった」と感想を語り、「車線変更も、もっと余裕を持ってするのかと思ったら、人(が運転する場合)と同じような感覚で入っていく。最初は怖かったが、思った以上に自然だった」と話した。

両社は実験で乗客の声を集め、目標とする2020年の完全自動運転による無人タクシーの実用化に生かす考え。

タクシー業界では高齢者や訪日外国人、過疎地での交通弱者の利用など需要拡大が見込まれるものの、運転手の高齢化や人手不足が課題となっている。日の丸交通は運転手不足の解決策として自動運転タクシーの普及を目指している。同社の富田和孝社長は「自社だけではなく、業界全体を巻き込んで機運を盛り上げたい」と述べた。

[東京 27日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

202404300507issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年4月30日/5月7日号(4月23日発売)は「世界が愛した日本アニメ30」特集。ジブリのほか、『鬼滅の刃』『AKIRA』『ドラゴンボール』『千年女優』『君の名は。』……[PLUS]北米を席巻する日本マンガ

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

英インフレ率目標の維持、労働市場の緩みが鍵=ハスケ

ワールド

ガザ病院敷地内から数百人の遺体、国連当局者「恐怖を

ワールド

ウクライナ、海外在住男性への領事サービス停止 徴兵

ワールド

スパイ容疑で極右政党議員スタッフ逮捕 独検察 中国
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 2

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の「爆弾発言」が怖すぎる

  • 3

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバイを襲った大洪水の爪痕

  • 4

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    冥王星の地表にある「巨大なハート」...科学者を悩ま…

  • 9

    「なんという爆発...」ウクライナの大規模ドローン攻…

  • 10

    ネット時代の子供の間で広がっている「ポップコーン…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 7

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 10

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中