最新記事

宇宙旅行

ジェフ・ベゾスは、宇宙でも堅実か? 来年にも宇宙旅行のチケット発売へ

2018年7月23日(月)14時45分
鳥嶋真也

緊急脱出システムの試験に成功

ニュー・シェパードは2015年からこれまでに3機が建造され、今回までに8回、試験飛行を行っている。今回(9回目)は、昨年末に完成した3号機の、3回目の飛行だった。

これまでの試験飛行では、まず宇宙空間に到達できるかということからはじまり、ロケットや宇宙船を安全に着陸・回収できるのかという試験、そして宇宙船のパラシュートがすべて開かなかった場合でも安全に着陸できるのかという試験を行ってきた。

さらに一昨年には、ロケットが飛行中、最も負荷がかかる段階でトラブルが起きたという想定で、ロケットから宇宙船を脱出させる試験にも成功した。宇宙船には脱出用のロケットが装着されており、本体のロケットよりも大きな加速度で飛ぶことで、トラブルを起こしたロケットから脱出、離れることができる。

そして今回の試験はさらにひとつ進み、ロケットの飛行が終わり、ほぼ宇宙まで達したあとで宇宙船を脱出させ、そこから安全に帰還することができるか、という試験が行われた。

結果は成功し、一昨年の試験とあわせて、打ち上げから宇宙到達までのあらゆるタイミングで、ロケットにトラブルが起きても宇宙船を安全に脱出させ、中に乗っている乗員・乗客を安全に帰還させることができる能力を実証できたとしている。

BO003.jpg脱出試験をこなし、地上に帰還したニュー・シェパードのクルー・モジュール (C) Blue Origin

搭乗券の金額は20万〜30万ドル?

約3年を経て、ニュー・シェパードの飛行試験はいよいよ最終段階に入ろうとしている。これまでは人が乗らない無人飛行だったが、ブルー・オリジンによると「まもなく」、人が乗った状態での有人飛行試験が始まるという。

まずは同社の従業員(宇宙飛行士)が乗り込むことになるだろうが、数回の試験を経たのち、一般の乗客が乗れるようになろう。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

タイ首相、カンボジアとの戦闘継続を表明

ワールド

ベラルーシ、平和賞受賞者や邦人ら123人釈放 米が

ワールド

アングル:ブラジルのコーヒー農家、気候変動でロブス

ワールド

アングル:ファッション業界に巣食う中国犯罪組織が抗
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 3
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 4
    「前を閉めてくれ...」F1観戦モデルの「超密着コーデ…
  • 5
    現役・東大院生! 中国出身の芸人「いぜん」は、なぜ…
  • 6
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 7
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 8
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 9
    「体が資本」を企業文化に──100年企業・尾崎建設が挑…
  • 10
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 7
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 8
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中