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ビッグデータなど分析した「AI活用投資」はリターンが大きい?

2018年7月13日(金)17時40分

──日本では先週、西日本を記録的豪雨が襲い、現在進行形で人命や企業活動への被害規模が判明している。そうしたデータもモニターしているか。

「先進国ではまだ天候データをシグナルに採用しておらず、現時点では今回の日本の被害実態を把握していない。だが天候が経済に与える影響が顕著な新興国株式で5年余り前から運用に活用しており、世界中で同じことができる能力はある。今後は日本を含む先進国に拡大することを検討中だ」

──競合相手は誰か。

「大きく分けて、他の運用会社とテクノロジー会社の2種類だ。運用系では、シタデルやポイント72といったマルチストラテジーヘッジファンドがAI運用にも手を広げつつある。HFT(超高速・高頻度取引)を使い超短期売買を行うルネッサンステクノロジーズやツーシグマといったクオンツ系ファンドについては、我々のように投資ホライズンが3─6カ月でテクニカル指標だけでなく経済や財政を重視する投資家とは住み分けができている」

「一方のテクノロジー会社は、現時点では規制もあり、金融・資産運用分野に進出していないが、中国のアリババが傘下に(金融子会社)アント・フィナンシャルを持つのを見ても、将来的には競合する可能性があると考えている」

──AIが人間のファンドマネージャーに勝つ時代が来るか。

「我々の運用プロセスは、人間が最初と最後を受け持ち、中間をシステムが担当する。アルゴリズムを作成したりリサーチを行うのと、モデルに見落としがないかチェックしたり投資責任を負うのは人間だ。『モデルがミスをした』という言い訳は許されない」

「テクノロジーや機械が担う役割は今後拡大するだろうが、人間がフロントでありセンターである点は今後も変わらないと思う。モデルもアルゴリズムも作るのは人間だ」

(インタビュアー:植竹知子 編集:伊賀大記)

[東京 13日 ロイター]


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