最新記事

中国食品大手、肉厚の中国在来鶏に活路 品種改良で海外進出目指す

2018年6月22日(金)18時42分

巨大な投資

新規市場での売上げを増やすには時間がかかる。ヤム・ブランズやマクドナルド・チャイナなどの企業に供給するためにグローバル規模の養鶏品種改良企業から輸入されるブロイラー種に比べ、中国在来の成長の遅い鶏は、飼養コストが高い。

世界有数の養鶏品種改良企業の1つで、最近エビアジェンに買収されたフランスのハバード・ブリーダーズの専門家によれば、在来種のオスと成長の速い品種のメスを交雑することにより、中国の養鶏企業の競争力は上がるかもしれない、という。

だが新品種の開発は費用のかかる事業である。

ハバードのマーケティング担当ディレクターであるPaulvan Boekholt氏は、「何らかの成果をあげるまでに10─15年は必要だ」と語る。同氏はさらに、数年後の市場需要がどうなるかを予測することも1つの課題だと言う。

在来種に専念していれば、昨年、白毛種のブロイラーに必要な種鶏の輸入の制約となった検疫問題を回避できる。

温氏は、黄毛種の鶏肉を扱う大規模な小売市場が存在するフランスにも目を向けているという。動物福祉への関心により、欧州諸国の多くでは成長の遅い鶏に対する需要が伸びている。

動物福祉への関心は中国ではさほど広がっていないものの、地元の味覚はそう簡単には変わらない。

温氏は、冷蔵の黄毛種鶏肉市場を「ゆっくりと開拓していかなければならない」と語る。

温氏食品は広東省・浙江省に4カ所の食肉処理場を保有しており、江蘇省にも新たに1カ所を建設中だ。また温氏によれば、新規プロジェクトのための拠点も探しているところだという。

さらに同社は、黄毛種鶏肉の購入実績がある香港のフェアウッド・ホールディングス<0052.HK>などのファーストフードチェーンや、スナック菓子メーカーへの販売強化も検討している。

「鶏肉市場における成長の余地はまだかなり大きい」と温氏は語った。

(翻訳:エァクレーレン)

Dominique Patton

[北京 13日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 習近平独裁の未来
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年2月17号(2月10日発売)は「習近平独裁の未来」特集。軍ナンバー2の粛清劇は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」強化の始まりか

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

アングル:戦闘で労働力不足悪化のロシア、インドに照

ワールド

アングル:フロリダよりパリのディズニーへ、カナダ人

ビジネス

NY外為市場=ドル横ばい、米CPI受け 円は週間で

ビジネス

米国株式市場=3指数が週間で下落、AI巡る懸念継続
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 2
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発される中国のスパイ、今度はギリシャで御用
  • 3
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 4
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 5
    50歳には「まったく見えない」...信じられないレベル…
  • 6
    川崎が「次世代都市モデルの世界的ベンチマーク」に─…
  • 7
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 8
    「ドルも弱い」なのになぜ、円安が進む? 「ドル以外…
  • 9
    毛沢東への回帰? それとも進化? 終身支配へ突き…
  • 10
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 5
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 6
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予…
  • 7
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 8
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
  • 9
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 10
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 7
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中