ドイツ国防相、600億ユーロ超への国防予算増額目指す=関係筋

ドイツのピストリウス国防相(写真)は今年の国防予算の大幅な増額を求めている。2人の関係者が匿名を条件にロイターに語った。6日撮影(2025年 ロイター/Annegret Hilse/File Photo)
[ベルリン 7日 ロイター] - ドイツのピストリウス国防相は今年の国防予算の大幅な増額を求めている。2人の関係者が匿名を条件にロイターに語った。
うち1人によると、2025年から600億ユーロ(682億1000万ドル)超への増額を目指している。
24年の通常国防予算は520億ユーロ。これに、ロシアのウクライナ侵攻への対応として設立された1000億ユーロの特別基金から200億ユーロが上乗せされた。この基金はドイツ軍の戦力立て直しに向け28年までに全額利用される予定だ。
関係筋によると、国防相は25年に予算増額を実施したい意向で、今後4年間の支出を年間600億ユーロ強に維持することを目指しており、これは政府の中期支出計画で手当てされる。別の関係筋は7日、国防省が25年に630億ユーロ程度の国防予算を目指していると明らかにした。これはショルツ前政権での予算から100億ユーロの増加となる。
関係筋は「課題は資金をいかにタイムリーに利用するかだ」とし、防衛産業では予定外の発注に対して迅速な生産拡大に苦慮することが多いという共通の問題を挙げた。
政府高官は7日、「600億ユーロ超」との報道について数字は妥当な範囲内だと指摘。国防省報道官は、予算編成はまだ完了していないとして、報道された数字には肯定も否定もしなかった。
社会民主党のピストリウス氏は、メルツ新政権で唯一留任した閣僚だ。