最新記事

トランプ政権

国務長官をクビにしたトランプ、決定済み政策の停滞にいら立ち

2018年3月15日(木)09時27分

お手盛り内閣

トランプ氏は記者団に「内閣やその他の事案は現在、私が望ましいと思う姿にかなり近づいている段階にある。マイク(ポンペオ氏)に関して、われわれは初めから非常に良好な関係を保ってきた」と語った。

トランプ氏と付き合いの長い人々の話では、同氏の大統領としての行動は以前のビジネスマン時代と変わっていない。

同氏の選挙陣営のストラテジストだったバリー・ベネット氏は「トランプ氏の考えを変えられると考えていた向きは、随分前にわれわれが選挙中に分かった事実を思い知っている。つまり彼の考えは変えられないのだ。トランプ氏をよりましにはできても、意見を180度ひっくり返せそうにはない。彼に何かしないよう説得する任務は『遂行不能』だ」と断言した。

トランプ氏はホワイトハウス運営を、以前に自分が進行役で出演していたテレビ番組と同列に扱っているとの批判も聞かれる。

民主党のパトリック・リーヒ上院議員は「ツイッターで国務長官をクビにするのは、劇的な演出やテレビの瞬間視聴率には役立つかもしれないが、今回も含めた枚挙にいとまがない同じようなこうした行為は(政治を)全く不安定化させ、国家とホワイトハウスのすべての職務レベルに打撃を与える」と厳しく意見した。

閣僚の交代はまだ続き、トランプ氏はコーン氏の後任のNEC委員長をこれから発表する。ギングリッチ氏は、コーン氏よりも「ウマが合う」人物を起用すると予想した。トランプ氏は、保守派コメンテーター、ラリー・カドロー氏が最有力候補だとほのめかしている。

それだけでなくジョン・ケリー大統領首席補佐官やハーバート・マクマスター大統領補佐官(安全保障担当)などもトランプ氏と意見が衝突したことがあり、一連の経緯やトランプ氏が人事刷新に言及している点からすると、ホワイトハウスを去る可能性がある。

(Jeff Mason、James Oliphant記者)

[ワシントン 13日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米人員削減、11月は前月比53%減 新規採用は低迷

ビジネス

英中銀、プライベート市場のストレステスト開始 27

ワールド

中国、レアアース輸出ライセンス合理化に取り組んでい

ワールド

ウクライナ南部に夜間攻撃、数万人が電力・暖房なしの
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 2
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国」はどこ?
  • 3
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与し、名誉ある「キーパー」に任命された日本人
  • 4
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 5
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 6
    【クイズ】日本で2番目に「ホタテの漁獲量」が多い県…
  • 7
    高市首相「台湾有事」発言の重大さを分かってほしい
  • 8
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 9
    台湾に最も近い在日米軍嘉手納基地で滑走路の迅速復…
  • 10
    見えないと思った? ウィリアム皇太子夫妻、「車内の…
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 4
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 5
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 6
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 7
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 8
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 9
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 10
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 5
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中