最新記事

動物

セルフィー大好きな人間のせいで家が決まらないニャ... あの猫たちがピンチ

2018年1月30日(火)18時30分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

写真はイメージです。 sjallenphotography-iStock.

<ペットはSNSで「イイね」をもらうための道具か? 人間の自己顕示欲のしわ寄せが...>

愛くるしい表情やしぐさで人間を癒し、良き友人としても大切にしたいペットたち。そんなペットの里親探しを仲介するとある施設で、時代の流れを受けた問題が起こっている。

英ミラー紙が伝えるところによると、イギリスにある猫の保護施設「モーゲリー」に、新しい家族がなかなか見つからない猫たちがいる。そして、その全てが黒猫だという。この施設を建てたクリスティーン・ベイカは、黒猫が伝統的に縁起の良くないものだと思われていて、不幸、魔術、迷信と関連するイメージが原因だと説明する。

ただ最近は、これ以上に興味深い原因も疑われている。黒猫の写真写りが悪いため貰い手がないという説だ。ベイカによると、彼女がモーゲリーを立ち上げた21年前に比べ、黒猫を巡る里親事情はかなり悪化したという。

良いセルフィーには黒じゃだめ?

「今や誰もがフェイスブックにセルフィーを載せたいと思っていて、その中に黒猫が写った写真は出てこない。非常に自己愛的なSNSの使い方だ」と語る。

これは「黒猫は不吉」という固定概念が強かった昔の話ではない。里親と猫の話になるとベイカはこう尋ねるそうだ。「あなたは猫の毛色について柔軟な考えを持っていますか?」と。相手の答えは総じて「はい、ただし黒でない限り」。いわゆる「インスタ映え」が、ペット選びの重要なポイントのひとつになっており、黒猫の里親探しは「人間の自己顕示欲のせいで確実に難しくなっている」とベイカは言う。

Spotさん(@spotticusmaximus)がシェアした投稿 -

(米カリフォルニア州に住む黒猫のインスタアカウント@spotticusmaximusは1万8000人のフォロワーを抱える人気)


黒猫の里親探しは、猫の人生、いわば「猫生」がかかっている。猫の平均寿命はここ十数年で急伸しており、20歳を迎えるご長寿猫も多くいる。ギネス世界記録によると、38歳と3日まで生きたアメリカの猫が過去最高齢として認定されている。猫からしても、長い間一緒にいる可能性のある人間から求められるのが「インスタ映え」とは、何とも微妙な気持ちではないだろうか。

癒し、喜び、安らぎを与えてくれるペットの存在は、私たちにとって代えがたい。ただ、これから、もしも新しい家族を迎える予定があるのなら、その時は少しだけベイカの話を思い出してほしい。

(2016年6月にイギリス財務省に配属されたネズミ捕獲猫のグラッドストンは黒猫だ)

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを
ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>

関連ワード

ニュース速報

ワールド

重大な危機、専門家と職員派遣へ=モーリシャス沖座礁

ワールド

トランプ大統領、90日以内のTikTok米事業売却

ワールド

アングル:1942年の日本軍ダーウィン奇襲 静かに

ワールド

焦点:ベイルート大爆発の謎、硝酸アンモニウムは「所

MAGAZINE

特集:人生を変えた55冊

2020-8・11号(8/ 4発売)

コロナ自粛の夏休みは読書で自分を高めるチャンス──世界と日本の著名人が教える「価値観を揺さぶられた本

※次号は8/18(火)発売となります。

人気ランキング

  • 1

    モーリシャス政府が賠償請求 座礁事故「わかしお」の長鋪汽船に

  • 2

    マオリ語で「陰毛」という名のビール、醸造会社が謝罪 

  • 3

    「元徴用工」の主張に違和感を感じる人たち

  • 4

    「韓国・文在寅の最低賃金引き上げは失策」説を信じるな…

  • 5

    相模原障害者殺傷事件、心底恐ろしい植松聖死刑囚の…

  • 6

    NTT-NEC提携「5Gでファーウェイに対抗」の嘘

  • 7

    ベトナム、日本には強硬だが、中国には黙る韓国政府…

  • 8

    韓国、ユーチューブが大炎上 芸能人の「ステマ」、「悪…

  • 9

    日本が国安法の対象になりつつある香港民主派逮捕と…

  • 10

    瀬戸際の元徴用工問題、日本は自ら解決の道を閉ざすな

  • 1

    ハチに舌を刺された男性、自分の舌で窒息死

  • 2

    韓国、ユーチューブが大炎上 芸能人の「ステマ」、「悪魔編集」がはびこる

  • 3

    トランプTikTok禁止令とTikTokの正体

  • 4

    マオリ語で「陰毛」という名のビール、醸造会社が謝…

  • 5

    「元徴用工」の主張に違和感を感じる人たち

  • 6

    モーリシャス政府が賠償請求 座礁事故「わかしお」の…

  • 7

    李登輝前総統の逝去報道──日韓の温度差

  • 8

    バイデン陣営はこれで「ターボ全開」? 副大統領候…

  • 9

    『レオン』が描いた少女の性と「男性目線」

  • 10

    「韓国・文在寅の最低賃金引き上げは失策」説を信じるな…

  • 1

    中国からの「謎の種」、播いたら生えてきたのは......?

  • 2

    コロナ感染大国アメリカでマスクなしの密着パーティー、警察も手出しできず

  • 3

    中国から米国に「謎の種」が送りつけられている......当局は「植えないで」と呼びかけ

  • 4

    韓国、コロナショック下でなぜかレギンスが大ヒット …

  • 5

    ハチに舌を刺された男性、自分の舌で窒息死

  • 6

    宇宙観測史上、最も近くで撮影された「驚異の」太陽…

  • 7

    アメリカが遂に日本政界の媚中派を名指し批判──二階…

  • 8

    戦略性を失った習近平「四面楚歌」外交の末路

  • 9

    中国のスーパースプレッダー、エレベーターに一度乗…

  • 10

    【独占】押谷仁教授が語る、PCR検査の有用性とリスク…

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

英会話特集 グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
CCCメディアハウス求人情報
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
Wonderful Story
メールマガジン登録
CHALLENGING INNOVATOR
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

絶賛発売中!

STORIES ARCHIVE

  • 2020年8月
  • 2020年7月
  • 2020年6月
  • 2020年5月
  • 2020年4月
  • 2020年3月