最新記事

アメリカ外交

トランプ、北朝鮮の制裁問題でロシア非難 知財問題で中国に罰金も

2018年1月18日(木)18時42分

1月17日、トランプ米大統領は、北朝鮮の制裁逃れを手助けをしているとしてロシアを非難した。さらに、北朝鮮が米本土を狙う長距離ミサイルの完成に「日ごとに近づいている」と警鐘を鳴らした。ホワイトハウスでインタビューに答える同大統領(2018年 ロイター/Kevin Lamarque)

トランプ米大統領は17日、北朝鮮の制裁逃れを手助けをしているとしてロシアを非難した。さらに、北朝鮮が米本土を狙う長距離ミサイルの完成に「日ごとに近づいている」と警鐘を鳴らした。

トランプ大統領はロイターとのインタビューで、「ロシアは北朝鮮問題で米国の助けにはなっていない」とし、「中国が米国に協力した分をロシアが損なっている」と非難した。

トランプ氏はまた、中国が米国の知的財産権を侵害している可能性があるとし、巨額の「罰金」を科すことを検討していると述べ、報復措置に踏み切る可能性を示した。

トランプ大統領の発言について、在ワシントンのロシア大使館からコメントは得られていない。

トランプ氏は、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との対話については、「対話の席には着くつもりだが、問題の解決につながるかは定かではない」とし、対話が有益かどうかを巡り疑念を表明した。トランプ大統領は過去に、金氏との直接対話を排除しない姿勢を示していた。

トランプ氏は、危機を解決できなかったとしてクリントン、ブッシュ、オバマ氏の直近3人の歴代大統領を批判。自身については、前日発表された健康診断結果を受け、危機を解決できる認知力があることを示唆した。

「彼らは皆、テストで満点を取った大統領に任せるしかないと気付いただろう」と語った。

金委員長とこれまでに連絡を取ったことがあるかどうかについてはコメントを控えた。北朝鮮とのこう着状態を「平和的な手段で」解決できることを望むが、「そうできない可能性は大いにある」と述べた。

また、北朝鮮への石油・石炭供給制限に向けた中国の取り組みを称賛した上で、北朝鮮を抑止するためにさらにできることがあるとし、中国に一段の行動を求めた。

ロシアのプーチン大統領については「できることは多い」とする一方、「残念ながらわれわれはロシアとそれほど関係が深くない。中国が与えるのをやめた代わりにロシアが与えているケースもあるとみられ、結果的にはそれほど良くない」と指摘した。

また、来月行われる平昌冬季五輪に関する南北協議を歓迎し、危機打開に向けた最初の段階だと述べた。

米国の本気度を示すため、北朝鮮への限定的な先制攻撃を検討しているかどうかについては手の内を明かさなかった。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

鉄鋼関税、2倍の50%に引き上げへ トランプ米大統

ワールド

トランプ米大統領、日鉄とUSスチールの「パートナー

ワールド

マスク氏、政府職を離れても「トランプ氏の側近」 退

ビジネス

米国株式市場=S&P500ほぼ横ばい、月間では23
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岐路に立つアメリカ経済
特集:岐路に立つアメリカ経済
2025年6月 3日号(5/27発売)

関税で「メイド・イン・アメリカ」復活を図るトランプ。アメリカの製造業と投資、雇用はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プーチンに、米共和党幹部やMAGA派にも対ロ強硬論が台頭
  • 3
    イーロン・マスクがトランプ政権を離脱...「正直に言ってがっかりした」
  • 4
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
  • 5
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 6
    【クイズ】生活に欠かせない「アルミニウム」...世界…
  • 7
    「これは拷問」「クマ用の回転寿司」...ローラーコー…
  • 8
    ワニにかまれた直後、警官に射殺された男性...現場と…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多…
  • 10
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」時代の厳しすぎる現実
  • 3
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多い国はどこ?
  • 4
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 5
    アメリカよりもヨーロッパ...「氷の島」グリーンラン…
  • 6
    デンゼル・ワシントンを激怒させたカメラマンの「非…
  • 7
    「ディズニーパーク内に住みたい」の夢が叶う?...「…
  • 8
    友達と疎遠になったあなたへ...見直したい「大人の友…
  • 9
    ヘビがネコに襲い掛かり「嚙みついた瞬間」を撮影...…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 5
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 6
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 7
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 8
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 9
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 10
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中