最新記事

LGBT

インドのゲイ王子 宮殿をLGBTQ支援施設に改装

2018年1月11日(木)18時20分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

マンベンドラ・シン王子 OWN-YouTube

<LGBTQコミュニティーのために戦い続けてきた、結婚歴もあるゲイ王子。同性間の性行為を違法とするインドでLGBTQの居場所として目を付けたのは自身の所有する宮殿>

インドで最も有名なゲイ、マンベンドラ・シン王子(52)。同性愛が違法とされる同国で、さらに王族という立場でゲイであることをカミングアウトしたのは2006年のこと。それから10年以上が経ったいま、マンベンドラはレズビアン、ゲイ、トランスジェンダーといったセクシャリティを理由に迫害されるLGBTQ(性的少数者)の人々をグジャラート州西部のラジピプラにある自身の宮殿に受け入れる活動を進めている。英インディペンデントなどが伝えた。

LGBTQに風当たりの強いインドでは、自身の性について自由に語ることのできる環境が整っているとは言えない。マンベンドラも例外でなく、10代の頃に男性に恋愛感情を抱いたことを周りに打ち明けることなく大人になり、周囲のプレッシャーから女性と結婚した過去も。もちろん夫婦生活は上手くいくわけもなく、わずか15カ月で終焉を迎えた。

カミングアウトで一変した運命

2005年にマンベンドラはついに家族にカミングアウトした。このとき母親は新聞広告で「息子を勘当する」と掲載し、翌年には親族からも見放された。伝統的価値観が重視され「標準な」異性関係が求められるインドの小さな街では、LGBTQの人々が生きづらい思いをしているという。

「カミングアウトしたら、無理やり結婚させられたり家から見放されたりする。一方で家族も多くのプレッシャーに直面する」と言う。「彼らの居場所はどこにもなく、自分自身をサポートする術もない」とLGBTQが置かれた環境の厳しさを指摘した。

自らの経験からLGBTQの人々の受け皿が必要だと考えたマンベンドラは彼らをサポートする施設の建設を進めている。ニュースサイトIBTによると、所有する約6万平米の敷地に立つ4ベッドルームの宮殿を改装・核張し、収容人数を増やす。さらに電力用のソーラーパネルを設置。医療施設、英語や職業技能の訓練施設を設け、就業支援に取り組む計画をロイター通信に語っている。有機農業のための土地も確保しているという。マンベンドラは「子供を持つつもりはないし、彼らのためにこのスペースをうまく利用しない手はない」と考える。

ニュース速報

ビジネス

米国株は下落、ハイテク・たばこ銘柄に売り 金融株が

ビジネス

シャイアーが武田薬の買収案拒否、アラガンは断念

ビジネス

保護主義、世界経済に大きなマイナスになり得る=黒田

ビジネス

ドル上昇、米国債利回り上昇受け=NY市場

MAGAZINE

特集:技能実習生残酷物語

2018-4・24号(4/17発売)

アジアの若者に技術を伝え、労働力不足を解消する制度がなぜ「ブラック現場」を生むようになったのか

グローバル人材を目指す

人気ランキング

  • 1

    「僕はゲイリー19歳、妻は72歳」 青年が恋に落ちた53歳上の女性とは

  • 2

    こんなエコノミーは嫌だ! 合理的すぎる座席で、機内はまるで満員電車?

  • 3

    ジェット旅客機の死亡事故ゼロ:空の旅を安全にしたリスク管理と「ダサい」デザイン

  • 4

    金正恩は「裏切り」にあったか......脱北者をめぐる…

  • 5

    「ヒトラーが南米逃亡に使った」はずのナチス高性能…

  • 6

    ナゾの天体「オウムアムア」の正体 これまでに分か…

  • 7

    「家賃は体で」、住宅難の英国で増える「スケベ大家」

  • 8

    怖くて痛い虫歯治療に代わる、新たな治療法が開発さ…

  • 9

    「セックスしている子もいるけど私はしたくない」 …

  • 10

    4年前に死んだ夫婦に赤ちゃん誕生! 中国人の祖父母…

  • 1

    「僕はゲイリー19歳、妻は72歳」 青年が恋に落ちた53歳上の女性とは

  • 2

    こんなエコノミーは嫌だ! 合理的すぎる座席で、機内はまるで満員電車?

  • 3

    アメリカの2度目のシリア攻撃は大規模になる

  • 4

    「家賃は体で」、住宅難の英国で増える「スケベ大家」

  • 5

    フェイスブックはなぜ全米を激怒させたのか

  • 6

    おどろおどろしい溶岩の世界!?木星の北極の正体が…

  • 7

    韓国で隣家のコーギー犬を飼い主に食べさせようとし…

  • 8

    地球外生命が存在しにくい理由が明らかに――やはり、…

  • 9

    日本の空港スタッフのショッキングな動画が拡散

  • 10

    4年前に死んだ夫婦に赤ちゃん誕生! 中国人の祖父母…

  • 1

    日本の空港スタッフのショッキングな動画が拡散

  • 2

    ユーチューブ銃撃事件の犯人の奇妙な素顔 「ビーガン、ボディビルダー、動物の権利活動家」 

  • 3

    「金正恩を倒せ!」落書き事件続発に北朝鮮が大慌て

  • 4

    「家賃は体で」、住宅難の英国で増える「スケベ大家」

  • 5

    金正恩が習近平の前で大人しくなった...「必死のメモ…

  • 6

    「僕はゲイリー19歳、妻は72歳」 青年が恋に落ちた5…

  • 7

    ヒトの器官で最大の器官が新たに発見される

  • 8

    「パスタは食べても太らない」──カナダ研究

  • 9

    2度見するしかない ハマってしまった動物たちの異様…

  • 10

    金正恩がトランプに懇願か「あの話だけはしないで欲…

日本再発見 シーズン2
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版

SPECIAL ISSUE 丸ごと1冊 プーチン

絶賛発売中!

STORIES ARCHIVE

  • 2018年4月
  • 2018年3月
  • 2018年2月
  • 2018年1月
  • 2017年12月
  • 2017年11月