最新記事

中国経済

訪中の仏マクロン大統領、市場開放要請 50超の企業幹部が同行

2018年1月10日(水)08時56分

1月9日、中国訪問中のフランスのマクロン大統領は、貿易赤字削減のため、中国に対しより一層の市場開放を求める発言を繰り返した。写真は北京で握手するマクロン氏(左)と中国の習近平国家主席(2018年 ロイター)

中国訪問中のフランスのマクロン大統領は9日、貿易赤字削減のため、中国に対しより一層の市場開放を求める発言を繰り返した。

50余りの企業の幹部らを引き連れ、3日間にわたる公式訪問中のマクロン大統領は欧州連合(EU)の他の経済大国、ドイツが連立協議で難航し、英国がEUを離脱するという状況下では、欧州の代表格だ。大統領就任以来、労働市場改革を成し遂げ、今年の成長率も上方修正され、経済は堅調に推移している。5年間の任期中、毎年訪中する意向も表明した。

ただ、成果は芳しくない。比較的小規模な商談は成立しているものの、原子力大手アレバによる原発の使用済み燃料再処理施設建設計画は進んでおらず、航空機大手のエアバスによる100機以上の商談も契約成立まではこぎ着けられなかったとみられる。

トランプ米大統領が昨年訪中した際には、米航空機大手ボーイングによる300機の売却が発表された。

マクロン大統領は8日、中国の習近平国家主席との会談で、中国による外国企業に対する規制に触れ、規制を続ければ共倒れになると述べ、市場開放を迫った。中国政府の発表によると、李克強首相は「フランスによる投資、輸出の拡大を歓迎する」と大統領に伝えた。

中国の電子商取引最大手アリババグループの馬雲会長は北京で、マクロン大統領の発言に理解を示した上で「互いにより市場開放を図るべきだ」と記者団に語った。

フランスの対中貿易赤字は300億ユーロ(360億ドル)。

[北京 9日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


ニューズウィーク日本版のおすすめ記事をLINEでチェック!

linecampaign.png

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国、26年投資計画発表 420億ドル規模の「二大

ワールド

ロシアの対欧州ガス輸出、パイプライン経由は今年44

ビジネス

スウェーデン中銀、26年中は政策金利を1.75%に

ビジネス

中国、来年はより積極的なマクロ政策推進へ 習主席が
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめる「腸を守る」3つの習慣とは?
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 5
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 6
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 7
    「サイエンス少年ではなかった」 テニス漬けの学生…
  • 8
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 9
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中