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日本企業経産省、製造業品質問題で対策 JIS改正やAIで「嘘のつけない仕組み」検討
12月22日、世耕弘成経済産業相は、閣議後の記者会見で、神戸製鋼所の製品データ改ざんなど大手製造業による一連の品質問題を受けて、日本工業規格(JIS)を定める工業標準化法の改正の検討など、経産省として対策に乗り出す方針を明らかにした。写真は神戸で10月撮影(2017年 ロイター/Thomas White)
世耕弘成経済産業相は22日、閣議後の記者会見で、神戸製鋼所<5406.T>の製品データ改ざんなど大手製造業による一連の品質問題を受けて、日本工業規格(JIS)を定める工業標準化法の改正の検討など、経産省として対策に乗り出す方針を明らかにした。
JISの対象に経営管理などを追加するほか、罰金の引き上げなどを検討する。来年1月召集の次期通常国会にJIS法の改正案を提出する方向で内容を詰める。
神戸製鋼のほか、三菱マテリアル<5711.T>、東レ<3402.T>による品質データの改ざん事例が主に子会社で発生していることに対応するため、経産省は、子会社を含むグループ統治の実効性向上に関する先進事例の収集といった対策を想定している。
世耕経産相は、品質問題について「日本の産業界全体の競争力にも影響しかねない」と指摘。業界団体による新たなガイドライン策定の動きを受けて、「経産省としては産業界の取り組みを多面的に後押しする」(世耕氏)と、対策の必要性を強調した。
法改正のほか、ビッグデータや人工知能(AI)などIT技術の活用を通じた、「嘘のつけない仕組み」(同)の普及を産業界に促す狙いで政策パッケージを導入する。
具体的には、業界内のサプライチェーン間のデータ共有などについて、実現可能調査に補助金(18億円)の拠出や、一定の要件を満たす関連のシステム、センサーやロボットなどの投資を行う企業に対して税制優遇する。
(浜田健太郎)