最新記事

中国共産党

誰がなるのか?――新チャイナ・セブン予測(6)

2017年10月18日(水)08時00分
遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)

2017年、第19回党大会の宣伝「より美しい明日のために」と庶民の実態 Jason Lee-REUTERS

いよいよ第19回党大会が始まる。誰が新チャイナ・セブンになるのか、そのリストは14日にすでに決まっている。そして約1週間後の一中全会で採決される。今さら予測しても仕方ないが、やはり気になる。

基本枠組み

いよいよ18日から5年に一度の党大会が始まる。

チャイナ・セブンを保つのか否かということも含めて、まずこれまで本コラムの「新チャイナ・セブン予測」シリーズで考察した結果に基づいて、基本枠組みを、おさらいしておこう。

1.集団指導体制を変えることはない。民主集中制を変えることはないから。

2.党主席を設けることはない。党規約には中共中央総書記に関する任期制限は明文化していないので、総書記を3期務めようと思えば、合法的に可能だから。

3.同一政権内で中共中央政治局常務委員会委員の人数を変えることはない。つまり現在のチャイナ・セブンという人数を、習近平政権第二期に移るときに変えることはない。チャイナ・ファイブにしたりチャイナ・スリーにしたりということはない。今回は7人のままだ。

4.国家主席を3期務めるということがあったとしても、第19回党大会でそれを決めることは絶対にない。なぜなら、これは憲法で「一期5年、最大二期」と制限されており、立法機関(全人代)で決めることなので、憲法改正手続きに着手しない限り変化はない。

5.習近平が年齢制限(不文律「七上八下」の慣例)を破って三期続投をするため、という目的で、王岐山(69歳)をチャイナ・セブンに残すことはない。但し、王岐山は他の権威ある役職に就く可能性はある。それは習近平の三期続投のためではなく、反腐敗運動の主役として有能な人物だったからである。

概ね、以上のように基本枠組みをもとに、それならいったい誰が新チャイナ・セブンのメンバーになるのかを予測してみよう。

新チャイナ・セブンの顔ぶれ

10月14日に閉幕した第18回党大会七中全会で新チャイナ・セブンの最終リストが採択された。もちろん公開はされないが、誰が新チャイナ・セブンになるのか、概ねの予想を考えてみよう。

まず、「七上八下」という慣例を破らないことが考えられる。

となれば、習近平と李克強が残る。二人の肩書は変わらない。

つぎに重慶市の陳敏爾(ちん・びんじ)書記が新チャイナ・セブン入りする可能性が高くなった。第19回党大会の一中全会における党内分業としては、現在の劉雲山氏の後任として思想・宣伝担当になる可能性が高いが、来年3月に開催される全人代で国家副主席に推薦されることになる可能性が高い。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

12月FOMCで利下げ見送りとの観測高まる、9月雇

ビジネス

米国株式市場・序盤=ダウ600ドル高・ナスダック2

ビジネス

さらなる利下げは金融安定リスクを招く=米クリーブラ

ビジネス

米新規失業保険申請、8000件減の22万件 継続受
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 4
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 5
    アメリカの雇用低迷と景気の関係が変化した可能性
  • 6
    幻の古代都市「7つの峡谷の町」...草原の遺跡から見…
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    【クイズ】中国からの融資を「最も多く」受けている…
  • 9
    EUがロシアの凍結資産を使わない理由――ウクライナ勝…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中