最新記事
感染症

シリアで流行した皮膚が溶ける「奇病」のワクチン開発に光が!?

2017年9月14日(木)18時30分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

シリア政府軍がISISから奪還した町に戻ってきた少女の頬にリーシュマニア症の症状が見られる Rodi Said-REUTERS

<リーシュマニア症を防ぐワクチン開発に向け、アメリカの研究チームがマウスを使った実験で一定の成果をあげた>

2015年にシリアで感染が拡大した奇病、リーシュマニア症のワクチン開発に希望の光が差し込んだ。アメリカでも発生が報告され、予防法の確立に期待が寄せられていた。

熱帯・亜熱帯・南ヨーロッパなどでみられるこの病気は、寄生原虫の一種リーシュマニアが小さなサシチョウバエ類によって媒介されるもので、治療せずに放置すると数週間から数年で死亡することもある。有効な予防手段はサシチョウバエに刺されないことだけで、ワクチンは存在しない。アメリカの科学ニュースサイト「サイエンス・デイリー」は、マラリアに次ぐ致命的な感染症としている。

(リーシュマニア症のシリアの子供たち)


【参考記事】「脳を食べるアメーバ」北上中?
【参考記事】謎の眠り病は放射能のせい?

この病気が注目されたのは、ISIS(自称イスラム国)が支配していたシリア国内の感染が拡大した2015年。世界保健機関(WHO)は、内戦の影響で医療サービスが破壊され、住民の免疫力が低下したと指摘していた。

英誌デイリーメールによると、ISISによって処刑された大量の遺体は、まともに処理されることなく放置されたという。最悪な衛生環境で死肉を好むサシチョウバエが大量発生したことが感染拡大の原因とみられる。

(リーシュマニアを媒介するサシチョウバエ)


【参考記事】IS敗走後に集団墓地と数100人の遺体
【参考記事】モスル奪還作戦、死体安置所からあふれ返る死体

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米上院、トランプ氏のベネズエラ軍事行動制限へ 審議

ワールド

EU、米のグリーンランド巡る動き警戒 対応策協議

ビジネス

米10月卸売在庫、0.2%増で予想と一致 GDP押

ワールド

米の気候条約離脱は「自殺行為」、米経済に影響も 国
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:AI兵士の新しい戦争
特集:AI兵士の新しい戦争
2026年1月13日号(1/ 6発売)

ヒューマノイド・ロボット「ファントムMK1」がアメリカの戦場と戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    次々に船に降り立つ兵士たち...米南方軍が「影の船団…
  • 5
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 6
    ベネズエラの二の舞を恐れイランの最高指導者ハメネ…
  • 7
    トランプがベネズエラで大幅に書き換えた「モンロー…
  • 8
    「グリーンランドにはロシアと中国の船がうじゃうじ…
  • 9
    「ショックすぎる...」眉毛サロンで「衝撃的な大失敗…
  • 10
    マドゥロ拘束作戦で暗躍した偵察機「RQ-170」...米空…
  • 1
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチン、その先は袋小路か
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 5
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 6
    眠る筋力を覚醒させる技術「ブレーシング」とは?...…
  • 7
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙…
  • 8
    次々に船に降り立つ兵士たち...米南方軍が「影の船団…
  • 9
    ベネズエラの二の舞を恐れイランの最高指導者ハメネ…
  • 10
    アメリカ、中国に台湾圧力停止を求める
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 7
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 10
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中