最新記事

アメリカ政治

政府機関の閉鎖か、国境の壁公約撤回か トランプに迫る危険な選択肢

2017年8月30日(水)14時40分

 8月29日、米債務上限引き上げの期限とされる10月1日までにメキシコ国境の壁建設予算で議会がまとまる公算は小さい。トランプ大統領は選挙公約の目玉である政策を撤回するか、政府機関を閉鎖するかの厳しい判断を迫られかねない。写真は4月、米サンディエゴのメキシコ国境に設置されたフェンス(2017年 ロイター/Mike Blake)

10月1日までにメキシコ国境の壁建設予算で議会がまとまる公算は小さく、トランプ大統領は選挙公約の目玉である政策を撤回するか、政府機関を閉鎖するかの厳しい判断を迫られかねない。

後者はハリケーン「ハービー」がテキサス州南部を直撃する前の時点でも政治的に危険な選択肢だったが、今はさらにリスクが大きいようだ。

トランプ氏は先週アリゾナ州フェニックスで開いた支持者集会で、予算案に壁建設費用を盛り込むよう改めて要求し「政府を閉鎖しなければならなくても壁を建設する」と言い放った。

これにより10月1日までに暫定予算をまとめ政府の閉鎖を回避するよう努めている議会は、トランプ氏の脅しも考慮せざるを得なくなった。

トランプ氏は壁建設費用はメキシコが負担すべきと主張してきた。だがメキシコ側は拒否しているため、米予算からいったん拠出して後でメキシコから回収する手段を見つけるとしている。専門家によると壁建設の費用は約220億ドルで完成には3年以上を要する。

議会が政府予算案で合意できないか、トランプ氏が予算案を受け入れず拒否権を行使すれば、政府機関が閉鎖される。自身が所属する共和がまとめた予算案を拒否すればトランプ氏は危うい立場に置かれることになる。

共和党のデント下院議員はインタビューで「政府の閉鎖は政治的な過ちであるだけでなく自己破壊的行為だ」と強調した。

共和党は上院で予算案を通すために民主党から8人の賛成票を得る必要があるが、民主党指導部は壁の建設には強固に反対している。民主党のストラテジスト、ジム・マンレー氏は「民主党はこの問題で圧力を感じていない。議員は誰も(政府閉鎖を示唆するトランプ氏の脅しに)屈することはない」としている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イラン軍艦がスリランカ沖で沈没、米潜水艦が攻撃 少

ビジネス

フィッチ、インドネシア見通し「ネガティブ」に下げ 

ワールド

中国政協開幕、軍トップ張氏ら政治局員2人が姿見せず

ビジネス

スイス中銀、為替介入意欲が高まる=副総裁
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 2
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズった理由
  • 3
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られる」衝撃映像にネット騒然
  • 4
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 5
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 6
    核合意寸前、米国がイラン攻撃に踏み切った理由
  • 7
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 8
    人気の女性インフルエンサー、「直視できない」すご…
  • 9
    イランへの直接攻撃は世界を変えた...秩序が崩壊する…
  • 10
    「外国人が増え、犯罪は減った」という現実もあるの…
  • 1
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 2
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 3
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの謎判定に「怒りの鉄拳」、木俣椋真の1980には「ぼやき」も
  • 4
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 5
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 6
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 7
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 8
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 9
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 10
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中