最新記事

日韓関係

韓国・文大統領「日韓の障害は日本政府の変化。日本側の勇気ある姿勢必要」

2017年8月15日(火)14時00分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

「日本の指導者たちの勇気ある姿勢が必要だ」と語る文大統領 YTNの画面より

<8月15日は韓国にとって日本による併合から解放された記念日「光復節」。朴槿恵前大統領の下で交わされた日韓慰安婦合意の見直しなどについて文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、何を語ったか?>

15日午前ソウル中心部にある世宗文化会館で第72周年光復節記念式典が開かれ、その模様は地上波をはじめとする主要メディアによって生中継された。

韓国メディアYTNなどによると、文大統領は30分間にわたる祝辞の前半では、1919年の大韓民国臨時政府樹立を建国と位置づけ、「国民主権は臨時政府樹立を通じた大韓民国の建国の理念になっており、今日、我々はその精神を継承している。 国民が主役である国を設立しようとした先達たちの願いは百年の時間を繋がって、ついにロウソクを持った国民の行動になった」と、朴槿恵前大統領を退陣に追い込んだ国民の抗議デモが建国の精神に連なる行動だったとたたえた。

【参考記事】文在寅は「反日」「親北」なのか
【参考記事】トランプをうならせた文在寅の話術


そして、北朝鮮がミサイル発射を続けて緊張が高まる現在の朝鮮半島情勢について触れ、「分断は、冷戦の間の中で私たちの力で、私たちの運命を決定できなかった植民地時代が残した不幸な遺産だ。 しかし、もう私たちは自ら、私たちの運命を決定できるほど、国力が増大した。 朝鮮半島での軍事行動は、大韓民国だけが決定することができ、誰も大韓民国の同意なしに軍事行動を決定できない。 政府はすべてをかけて戦争だけは防ぐ」とのべ、あくまで韓国の主導でこの問題を解決するという姿勢を見せた。

北朝鮮に対しては「私たちは北朝鮮の崩壊を望まない。統一は民族共同体の全員が合意する"平和的、民主的"方法で行われなければならない。 北朝鮮が、既存の南北合意の履行を約束するなら、我々は政権が変わっても対北朝鮮政策が変わらぬよう、国会の議決を経て、その合意を制度化する」と体制維持を約束し、南北離散家族の再会と墓参事業の再開、さらに平昌オリンピックへの北朝鮮の参加について改めて呼びかけた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米最高裁、シカゴへの州兵派遣差し止め維持 政権の申

ビジネス

NY外為市場=ドル下落、GDP好調でもFRB利下げ

ワールド

米政権の「テックフォース」、約2.5万人が参加に関

ビジネス

カナダ中銀、次の一手「見通し困難」 不確実性高い=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者・野村泰紀に聞いた「ファンダメンタルなもの」への情熱
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    ジョンベネ・ラムジー殺害事件に新展開 父「これま…
  • 5
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 6
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 7
    「何度でも見ちゃう...」ビリー・アイリッシュ、自身…
  • 8
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 9
    なぜ人は「過去の失敗」ばかり覚えているのか?――老…
  • 10
    楽しい自撮り動画から一転...女性が「凶暴な大型動物…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 9
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 10
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中