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パキスタン下院がアバシ新首相選出、シャリフ前首相の意向実現

2017年8月2日(水)12時05分

8月1日、パキスタン議会下院は、シャヒド・カカーン・アバシ前石油・天然資源相を新首相に賛成多数で選出した。写真は7月31日、イスラマバードの議会を出るアバシ氏(2017年 ロイター/Faisal Mahmood)

パキスタン議会下院は1日、シャヒド・カカーン・アバシ前石油・天然資源相を新首相に賛成多数で選出した。最高裁判所から汚職疑惑で議員資格を剥奪されて7月28日に首相を辞任したナワズ・シャリフ氏の後を引き継ぐ。

下院で圧倒的多数派の与党パキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派(PML─N)が、ナワズ・シャリフ氏の意向に沿ってアバシ氏を首相に推戴した形。ナワズ・シャリフ氏は、実弟のシャハズ・シャリフ氏が首相就任資格を得るまでの恐らく2カ月程度、アバシ氏に政権運営を委ねる方針。シャハズ・シャリフ氏は今後下院補選で当選し、首相を目指す。

PML─Nのある議員はアバシ氏選出について「一番の目的はパキスタンに安定をもたらすことだ。責任ある政党として、パキスタンを前に進めなければならない」と説明した。

ただいずれシャハズ・シャリフ氏を首相にしようというこうした動きに対して、有力野党指導者イムラン・カーン氏の支持者からは怒りの声が湧き上がっている。

最高裁にナワズ・シャリフ氏の汚職問題を取り上げるよう街頭活動を通じて働き掛けてきたカーン氏は、シャリフ一族を「君主」と呼び、国家を私的領地にしようとしていると痛烈に非難した。

[イスラマバード 1日 ロイター]


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