最新記事

アメリカ政治

トランプ政権を去った人物リスト 在任10日はもう1人いた

2017年8月1日(火)18時46分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

ショーン・スパイサー
大統領報道官
在任182日、7月21日辞任。
ホワイトハウスの大統領報道官と広報部長(一時期)を兼任しトランプ政権の顔として知られたスパイサー。ジョージ・W・ブッシュ政権でメディア・広報担当通商代表補佐官、共和党全国委員会でも広報部長を務めるなど、メディア対応ではベテランのはずだったが、度重なる失言がまずかった。政権発足当初から、就任式の参加者を実際の人数より多く発表して、炎上。「今後は嘘をつかない」と言っていたが、「ヒトラーでさえ化学兵器を使わなかった」発言で、大問題に。ワシントン・ポストによれば、安倍晋三首相を「安倍大統領」と間違えたこともある。

ラインス・プリーバス
大統領首席補佐官
在任189日、7月27日辞任。
関係筋によると、医療保険制度改革(オバマケア)改廃など、主要な政策課題の立法化が進まない事態を受けて、トランプがプリーバスに対する信用を失ったという。スカラムッチから「妄想障害」があると批判されたり、辞任前は散々な状況だった。事実上の更迭とされる。トランプは「ラインスはいい奴だ」とコメントしている。

アンソニー・スカラムッチ
大統領報道官
在任10日、7月30日解任を発表。
スパイサーの後任として、彗星のごとく現れ、そして消えていった。歯に衣着せぬ毒舌で、「理論的なトランプ」として注目を集めたが、政権内部を批判するスカラムッチの人事には反対の声もあったという。「私は時に乱暴な言葉を使う。トランプ氏の政策実行に向けた闘いは諦めない」と意気込んでいたが、その成果を見ることはなくなってしまった。後日談で、プリーバス氏の後任として大統領首席補佐官に就任したジョン・ケリー前国土安全保障長官が就任初日に、スカラムッチの解任を要請したことがわかった。

【参考記事】ホワイトハウス人材難 「変人」トランプと働きたい人なんていない
【参考記事】「ナチスでさえ化学兵器は使わなかった」レベルの大嘘を止める方法

ロシアとの癒着を巡る捜査が、自分の娘婿のジャレッド・クシュナー大統領上級顧問にまでおよび、窮地ともいえるトランプは、政権スタッフの刷新で政治的な打撃を避けようとしている。ただ、既存スタッフを辞めさせるのは簡単でも、一緒に働いてくれる有能な人材は果たして見つかるのだろうか。今後の交代劇も要注目だ。

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガリニューアル!
ご登録(無料)はこちらから=>>

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ロシア西部2州で橋崩落、列車脱線し7人死亡 ウクラ

ビジネス

インフレ鈍化「救い」、先行きリスクも PCE巡りS

ワールド

韓国輸出、5月は前年比-1.3% 米中向けが大幅に

ワールド

米の鉄鋼関税引き上げ、EUが批判 「報復の用意」
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岐路に立つアメリカ経済
特集:岐路に立つアメリカ経済
2025年6月 3日号(5/27発売)

関税で「メイド・イン・アメリカ」復活を図るトランプ。アメリカの製造業と投資、雇用はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシストの特徴...その見分け方とは?
  • 2
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が知らないアメリカの死刑、リアルな一部始終
  • 3
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 4
    「ホットヨガ」は本当に健康的なのか?...医師らが語…
  • 5
    ペットの居場所に服を置いたら「黄色い点々」がびっ…
  • 6
    【クイズ】生活に欠かせない「アルミニウム」...世界…
  • 7
    メーガン妃は「お辞儀」したのか?...シャーロット王…
  • 8
    「これは拷問」「クマ用の回転寿司」...ローラーコー…
  • 9
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 10
    イーロン・マスクがトランプ政権を離脱...「正直に言…
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシストの特徴...その見分け方とは?
  • 3
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が知らないアメリカの死刑、リアルな一部始終
  • 4
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
  • 5
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多…
  • 6
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 7
    「ディズニーパーク内に住みたい」の夢が叶う?...「…
  • 8
    ヘビがネコに襲い掛かり「嚙みついた瞬間」を撮影...…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「金の産出量」が多い国は?
  • 10
    イーロン・マスクがトランプ政権を離脱...「正直に言…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 7
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 8
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 9
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 10
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中