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英中銀、5対4の僅差で0.25%利下げ決定 今後の措置には慎重姿勢

2025年12月18日(木)21時54分

ロンドンのイングランド銀本部、12月2日撮影 Yui Mok/Pool via REUTERS/File Photo

William Schomberg Andy Bruce Suban Abdulla

[ロンドン 18日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)は18日、政策金利を0.25%ポイント引き下げ3.75%とすることを決定した。5対4の僅差での決定で、既に緩やかなペースとなっている利下げが、今後さらに減速する可能性を示唆した。

インフレ高止まりの懸念から4人は金利据え置きを支持した。

前回据え置きを支持したベイリー総裁は、今回は利下げに投票。声明で総裁は「金利は引き続き緩やかな低下軌道にあると考えている」と指摘。「しかし利下げを重ねるごとに、どこまで引き下げるかの判断は難しくなる」と述べた。

追加利下げに慎重なトーンが示されたため、ポンドは米ドルに対し上昇。国債価格は下落し2年債利回りは5ベーシスポイント(bp)強上昇し3.77%となった。

総裁は、雇用市場の急速な悪化の兆候はまだ見られないとしつつも、インフレ期待がこれまでのところ大きく低下していない点も指摘した。

ロイターが先週実施したエコノミスト調査では、大半が5対4での利下げを予想していた。

KPMG・UKのチーフエコノミスト、ヤエル・セルフィン氏は、政策委のスタンスは引き締め度が低下し、委員間の分裂が深いことから、来年はコンセンサスを得るのが難しいだろうと指摘。「その結果2026年の利下げは2回にとどまり政策金利は3.25%まで低下すると予想する」述べた。

アバディーン・インベストメンツの副チーフ・エコノミスト、ルーク・バーソロミュー氏は、より多くの利下げを予想が行われると予想。「来年も景気は弱く、予算案では総合インフレ率を押し下げるような様々な措置が取られたため、利下げはさらに続き最終的に来年後半に金利は3%に戻る」との見方を示した。

金融政策委員会(MPC)の声明は総裁発言を踏襲。利下げに反対したロンバルデリ副総裁は、インフレが予想以上に強くなるリスクを引き続き懸念、最近のデータは「わずかに」軟化しただけだと述べた。

中銀チーフエコノミストのピル委員は、インフレが低すぎる水準にとどまるよりも高止まりするリスクのほうが大きいとの見方を示した。

0.25%の利下げにより、政策金利は約3年ぶりの低水準となった。

国内インフレ率は、他の主要国と比べて依然として高い。中銀はインフレが「目標に向けて近く一段と迅速に低下すると予想される」とし、高水準を維持するリスクは「やや弱まった」と指摘。一方で需要の弱さがインフレを過度に押し下げる可能性も残っているとした。

中銀は今年第4・四半期の経済成長率をゼロと予想。先月の0.3%増から下方修正した。ただし四半期あたりの基調成長率は0.2%程度とみている。

英経済は8ー10月に0.1%縮小。11月26日の予算案発表を前に、企業が投資計画を凍結したことが背景だ。

中銀は予算案での一時的な措置により2026年のインフレ率は0.5%ポイント程度押し下げられるが、その後2年間はわずかに押し上げられると予想した。

予算案の措置により26年と27年の経済は最大で0.2%ポイント押し上げられるという。

ロイター
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