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アメリカ経済

世界金融危機から10年 景気回復し完全雇用でも賃金上昇鈍る「謎」

2017年7月11日(火)09時02分

TDアメリトレードのチーフ・マーケット・ストラテジスト、JJ・キナーン氏は「このような雇用の伸びを続けるのは不可能なのに、賃金には上昇圧力の高まりがみられない。つまり何かつじつまが合わないところがあるのだ」と首を傾げる。

イエレンFRB議長は2014年3月に、賃金の上昇率は3%ないし4%が正常な水準だろうと述べた。今はもっと低い水準で固まったままだ。

サンフランシスコ地区連銀の労働市場担当主席エコノミスト、メアリー・デーリー氏は賃金の伸び率について「適正とされる水準が以前と比べて下がっている。生産性の伸びが極めて低く、物価上昇率が2%に届かないことを考えれば、賃金の伸びが足踏み状態なのは驚きではない」と話した。

フィッシャーFRB副議長は6日、生産性の伸びを押し上げるために打開策を講じるよう政府に要請。具体的な投資先として基礎的な研究、インフラ、教育、公衆衛生などの分野を挙げた。

(Ann Saphir記者)

[サンフランシスコ 7日 ロイター]


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